/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
タイトル、作家名、タグで検索
ストーリーを書く
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
続きです
人と違う事。
それは辛い事だと。
ただ、生まれ持った性だけで人の価値まで決まってしまうのは おかしい。
望んだものでも無いのに、嫌な視線を向けられるのは理不尽だ。
周りからの視線。
それは恐怖そのものだろう。
私はそれをよく知っている。
だって、
私も、オメガだから。
誰にも知られないように、
悟られないように、
毎日毎日、気を付けて、警戒して、心配して、
今の今迄隠し通してきた。
そして、今日も、これからも。
────────────────────
恋に落ちた日。
本当を云うと、初めて出会った日から気になっていたんだ。
初めて話した時から何か、中也には自分と似たものを感じていた。
何かを覆って隠しているような常に不安を持った雰囲気が。
中也がマフィアに加入した後、
挙動不審な彼を見て気になったから、後をつけた事があった。
行き着いたのは誰も来ない様な暗い部屋。
少し開いていた扉の隙間から様子を覗いた。
そこには勢いよく薬を服用し、息を上げている中也の姿があった。
その時知った。
中也はオメガだ。
でもさ、その時にはもう手遅れだったんだ。
もう、好きだったんだから。
どうしようもない位に。
だからこそ、すごく悔しかった。
君のあの匂いは、
私は知ることは出来ないんだね。
君は私の知らない所で、
君の知らない内に人を誘惑してしまうんだ。
そして、私の匂いも君は知れない。
本当に悔しい。
ああ、神様は残酷だな。
もし、私がベータなら、
中也がアルファなら、
如何して……、
この恋は諦めるべきなのだろう。
お互いの為に。
オメガ同士だなんて、絶対に幸せになる事なんてない。
それでも、君が期待させるから。
諦められる訳がないだろう？
＿でも、
それももう終わりにしよう。
君には幸せになって欲しいから。
────────────────────
二年後
或る静かな夜に
俺と太宰、二人だけがいるこの空間で、
云ってしまった。
『太宰、…好きだ』
『どうしようもない位、本当に好きなんだ』
『だから……、』
『行かないで……、』
彼奴の手を掴み、涙の浮かぶ目で顔を見た。
情けない顔だ。
自分でもわかっている。
こんな事云ったって、此奴を困らせるだけだ。
それでも、この一方的な思いを我慢せずにはいられなかったんだ。
でも太宰。
何で手前もそんな、
そんな、悲しそうな顔をするんだ。
苦しそうな顔をするんだ。
マフィアを出ていくのを決めたのは太宰だ。
友の最後の言葉を聞いて。
それなのに何で。
「ごめん……」
「ごめん中也…」
「君の願いは聞けない」
やっぱり俺の片思いだったんだ。
『そう、だよなっ…笑』
『おかしいよな、どうかしてた』
『悪かったよ、こんな事云って』
『引き止めちまって、困らせて、』
『手前は俺の事なんてどうも思って…、』
無駄な言葉がどんどん出てきてしまう。
涙が溢れて止まらない。
「…っ、」
だから、何で手前はそんな顔をするんだよ…、
もう俺、手前の事、
わかんねぇよ…。
「…だ」
『え…？』
「私だって、君が……！」
太宰の頬に一粒の涙が伝った。
太宰…？何で泣いて…、
そう思った時、思いがけない言葉が聞こえた。
「好き…なんだ……っ、」
「君の顔も、声も、優しい所も、強い所も、…全部全部どうしようもない位好きなんだ…」
「それでも、無理だ…」
今迄に聞いた事のない様な、
震えた太宰の声だった。
『っ！何でっ…！』
「だって、君はオメガだろう…？」
心臓が跳ねた。
何だよ、手前もそうなのかよ。
手前だけは、俺をちゃんと…、見てくれてると思ってたのに。
手前も彼奴らとあんな奴らと同じなのかよ。
彼奴らみたいに俺を腫れ物の様に見てたのかよ。
『ああ、そうだよ…』
『俺はオメガだよ』
『何だ、手前もそうやって俺から離れて行くのかよ！？』
自分の怒鳴り声が部屋に響く。
どうしても、悲しくて、悲しくて。
勝手に裏切られた様な気持ちになって。
ああ、これで終わりか、
こんな最後でお別れかよ。
もうだめだ、
俺はもう嫌われたんじゃないか。
いや、もしかしたら既に嫌われてて＿、
思いもしなかった太宰の大きい声に驚いて、
ビクッと肩が震えた。
「……そんな訳…無いじゃないかっ…！」
「君の辛さ、よくわかる」
『んな訳ねぇだろ…？』
『手前みたいな人間にわかる訳…！』
「毎日毎日不安で仕方なくて、気を緩める事なんてできやしない」
「周りからの目が怖くて、全員が敵に見える」
「決め付けられるのも、理不尽な扱いを受けるのも、全部慣れるしかなくて」
「この世界を恨んで、それでも何も変わらない」
「そうだろう？」
その通りだ。
何で、手前は、そんなに…、
俺の疑問を感じとったかの様に、
太宰が口を開いた。
「私も、君と同じだから」
────────────────────
今日は中也の誕生日だっ！！！
今誕生日のイラスト準備中なので、気になった方いたらぜひ見てください！！
多分夕方くらいまでには上げます！
見てくださった方ありがとうございました！
次回最終話です！
コメント
8件
どっちもかぁ…ううう切ない…！！😭😭
中也誕生日おめでとう次回楽しみにしときますね
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ