『別にローレンがどういう意味を持ってつけたのかは知らないけどさ、嫌じゃなかったよ?』
「……そこは嬉しかったって言えよ」
『…嬉しかったよ』
そう言うとふん…と嬉しそうに口元を緩ませる。
…あまりにも単純で不安になる。わたし以上に浮かれてるよこの人。
求めていた言葉を貰えて嬉しくなっちゃったのか
「首のやつはね〜」と急にペラペラと喋り始める。
「雨の日あったやん」
『あー、泊まらせてもらった日?』
「そ。そん時」
…と言われても全くと言っていいほど心当たりがない。
髪を乾かしてもらっていた時?
いやでもただ普通に髪を乾かしてくれていただけだった。
それ以外でローレンと距離の近かった時間、となると。
『ね、寝込みを襲ったってこと!?』
「……バッカ!お前!!!言い方が!!あるだろうが!!!」
そうだ、寝ている時が1番距離が近かった。
無駄に後ろから抱きしめられて
よくわからないまま結局寝ちゃったから気づかなかったのかもしれないけど
あの時間なら確実に有り得る、なんて恥ずかしいことをするんだこの男は。
「諦めろ」と言った後にまるで
「特別です」と言っているような痕をつけるなんて、そんなの、
『……わたしのこと、ほんとに好きなんだ』
どう頑張ったって上がってしまう口角と少しあついほっぺを隠すように手で顔を覆った。
「はあ?疑ってんの?」
『もしかしたら都合のいい夢なのかもしれない気がしてきて』
「何言ってんだよ」
ふー、と息を吐くとわたしの手首をギュッとつかみそのまま胸元に押し当てる。
このまま破裂してしまうのではないかと思うくらいに
とてつもない速さで動いている心臓に驚いて手を引っ込めてしまいそうになった。
「……誰にでもこんな風になるわけねーだろ」
『……ハイ』
「俺ほんとに嘘とかじゃなくて、てかそんなしょーもねー嘘わざわざつかん。」
「ちゃんと好きだから、都愛のこと。」
「今までの態度のせいっつーかなんつーか、遊びって思われても仕方ないねーんだけどそこはなんか、ハイ。」
「都愛にはわかっててほしい、です。どうしたらいいかわかんねーくらい好きってこと」
わたしは今日も、”わがまま”な彼に愛されてます。
➹Fin➹
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「 わがまま 。 」これにて完結です!
ここまで見てくださった皆様!ありがとうございました😭💗
コメント
11件
最高すぎるんですがぁ!?🥹🫶
番外編とかめちゃめちゃ欲しいやつだこれ
いい作品すぎて、番外編をあと50個ぐらい出してほしい程には、ほんとにいい作品でした!