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黄色い満月が浮かぶ夜のとある島、海の近くで一人の少年が発見された。日本がパラオの委任統治が認められた後の出来事である。

その少年は周りの人とは違った。髪は青く、片方の目は少し黄色い、しかも子ども達より成長が遅かったのだ。


少年が発見されて15年後、その少年に会うため島にとある日本の軍人達が訪れた。その中の一人は他の人達とは違う雰囲気を纏っていた。


「やあ、君が例の少年か。私は『大日本帝国』だ。」


少年は困惑した、大日本帝国は国名だと聞いていたからだ。国名を名乗ることを不思議に思った。


「えっと…ぼくはアオって呼ばれてます。髪が青いから日本語の青と…。」


少年は緊張していた。人とちゃんと話すのは久しぶりだったからだ。

見た目の違いで島の子ども達と遊べず、心身共に成長が遅いことから気味が悪いと思われていたことから、人と関わる機会が少なかった。


「…はは、そんなに緊張しなくていいんだぞ。もしかしたら君は私と同じような存在かもしれないからな。」


『大日本帝国』は察していたようで、少年の緊張をほぐそうとしていたらしい。少年は優しい人と出会えたことに安心したと共に、疑問が残った。


『大日本帝国』と同じような存在とはどういうことなのか。


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