あてんしょーん
この小説は実在する人物から名前を借りた創作小説です。
御本人様とは一切関係ありません。
fjky・最後ちょっとrtfj・死ネタ・若干曲パロ
では、ここまでで読みたいと思ってくれた方のみお進みください。
fj視点
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もしあの事故が夢なら
どれほどよかっただろう
未だにお前が、あの時が夢に出てくる
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fj『もう…もうキヨなんか知らないッ!』
あのトラックが信号無視をしなければ
ky『フジッッ!!』
fj『へ…?』
ドンッッ
いや、俺がもっと周りを見てれば
fj『…き……よ?』
あいつは、助かったのだろうか。
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fj「また、あの夢…」
『___やぁっと起きた!遅い!』
fj「…おはよう」
朝、いつもの憂鬱な朝だ
少し埃がかった写真立て
そこには笑ってる俺とキヨが笑っていた
告白した思い出の場所で撮った写真
土砂降りだ、今日はなにも食べたくない
そう思いながら実況を撮る
俺の人生
お前がいなきゃ永遠に暗いままだよ
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ぼーっとしているとTOP4と最俺のグループラインから連絡が来た
rt[今日だね]
us[もう一年らしいな]
gt[早いねぇ…]
ks[飲み…行く?]
hr[フジが行くなら]
fj[…うん、行く]
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「いらっせーやせー!!!何名様で?」
fj「…あ、えと…6…」
us「7人。」
hr「7人でーす」
「7名様ご案内でぇーす!!」
fj「…ねぇ、なんで?」
ks「あいつも居るよ。」
あ…そうか、
みんなは気を使って……
gt「今日は”7人”でたのしも?」
fj「…じゃあ、俺レモンサワー」
ks「了解」
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rt「ベロッベロやん…」
gt「うぉー!えへぇ…」
hr「うぇーいw」
us「俺が連れて帰るよ」
ks「じゃーヒラは俺が近いんで!」
rt「フジくん、かえろか?」
fj「…うん。」
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rt「ご飯、食べれた?」
fj「ちょっとはねー」
rt「牛タンめっちゃ食べてたね」
fj「牛タン…」
『フジ!ここの牛タンめっちゃうめーぞ!!レモンサワーに合う!!』
rt「思い出しちゃったか、ごめん」
fj「レトさんは悪くないから!!」
悪くない、そう悪くない。
『フジ!』
『フジ?』
『ジーフーさぁん』
『執事!』
『参謀!』
『フジ』
会いたい、会いたいよ
fj「…キヨ、キヨぉ…会いたいよ!また、また…」
rt「大丈夫、大丈夫だから…。ごめんな」
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それからレトさんと別れて
風呂に入って
動画を投稿して
コメントを読んだ
もちろん、あいつのチャンネルも
[また帰ってきたよ、キヨ]
[倍速青鬼とプロメク見直してる、ほんと最高]
[最後の投稿がぷよテトなの切ない]
[キ ヨ の 口 か ら 急 ブ レ ー キ 音]
[伝説だよ、お前は]
視聴者にも恵まれて
たくさんイベントして
雑誌に載って
地上波出て
あいつは幸せだった、きっと
俺のせいだ
俺が、あの日言いがかりをつけてしまったせいで
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10月20日、この日はキヨの周年だった
ky「…ふふっ」
fj「キヨ?どした?」
ky「…なんも」
fj「また、ラインレトさん?」
ky「そうだけど、なんかわるい?」
fj「そうやっていっつもレトさんばっか!!」
ky「え、ちょ、フジ…」
fj「どうせ浮気なんでしょ?!俺のことなんかどうでもいいってことでしょ?!」
ky「…ッちがう!違うから!!」
fj「もう…もうキヨなんか知らないッ!」
おれは横断歩道に飛び出した
ky「フジッッ!!」
fj「へ…?」
ドンッッ
信号無視のトラックに気づかず
fj「…き……よ?」
即死だった。
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火葬場、俺はレトさんと焼き終わるのを待っていた
rt「あんな、フジくん話あんねん」
fj「…なに?」
rt「実はおれ、キヨ君とLINEしててん」
fj「…知ってる」
rt「あれな、ずっとフジくんの話してたんやで?」
fj「へ?」
rt「ずっと『フジが隣でぴょこぴょこしてる、かわいい』とか『フジがかわいいよぉ、どーしよ!』とか惚気ててん」
rt「で、フジくんにこれ」
fj「ぁ…あ、あぁあ…」
指輪。渡されたのは2つの指輪だった。
あぁ
完全なる勘違いだ
俺は勘違いでキヨを…
rt「でもなフジくん、自分を責めたらあかんで?」
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自分を責めるな
そんなの無理だ
「キ、ヨ…キヨぉッ、ごめ、んね…ごめん…」
もし願いが叶うなら
あいつに会いたい。
今日も一杯レモンサワーを飲み
涙の海に溺れ、眠りに落ちた。
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ん…ん……?
ky「よ、フジ」
fj「…キヨ?き、よ?キヨ?!?!」
なんだ、これ…夢か?
ky「そ、夢。」
fj「?!なんでわかって…」
ky「夢だから?」
fj「…会いたかった」
俺は勢いよくキヨに抱きつく
ky「うおっ!あっぶねーな!」
fj「会いたかった!会いたかったよ!!!ごめん!!ほんとにごめん!…ごめんね…」
ky「…お前って、ほーんと泣き虫」
fj「悪い?」
ky「んーん、かわいい」
fj「久しぶりに聞いた、本物だね」
ky「そりゃそーだ」
ky「…レモンの匂い?まだあれ飲んでんの?」
fj「そうにきまってんじゃん!だってあれば…」
お前のお気に入りのレモンサワーだったから…。
ky「そんで、本題。」
fj「?」
ky「俺のこと、忘れて。」
fj「…え?」
ky「その方がフジは幸せになれる」
fj「なんで?なんでそんな…」
ky「フジにはいい人がいっぱい居るよ」
fj「そんなこと無い!俺にはキヨだけで…」
ky「フジが忘れたくなくても、この夢を見たってことは俺との記憶は消える」
fj「なんで?!」
ky「神と契約した。」
fj「へ?」
ky「フジに最後に会わせる代わりに、フジの中の俺との記憶が全て消える」
fj「しんじらんない、なんで…そんなこと…」
ky「俺が最後に会いたかったから、もうフジには辛い思いさせたくない」
辛い思い…?そんなのキヨの方がしてるはずだ
fj「俺が…俺がいなければこんなこと…」
ky「お前のせいじゃない」
ky「フジがいなかったら俺の人生暗いままだったよ、ありがとう」
ky「だから…もう自分を責めるな。俺のこと忘れて幸せになれよ。」
fj「…。」
ky「もう、時間だな」
fj「やだ、やだよ!」
ky「なぁフジ、たくさんゲームしたな」
fj「やめて、」
ky「あの実写、おもしろかったぁ」
fj「やめてよ」
ky「あの日食べに行った牛タンとレモンサワー、美味しかったな」
fj「キヨっ!」
ky「あと20秒、最後に言いたいことは?」
fj「……ッッッ」
もう、無理なんだ
忘れたくない
大好きだ
fj「愛してるッッッ!!!!」
ky「…俺も、」
fj「絶対忘れない!!!約束する!!!」
ねえ、キヨ
なあ、フジ
愛してるよ。
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fj「んー…」
朝、いつもの朝だ
fj「あれ、なんで俺泣いて…?」
fj「まーいーや!今日TOP4で集まるし!」
TOP4とは、フジこと俺、レトさん、うっしー、ガッチさんの4人のことだ!
fj「あれでも俺、なんか忘れてるような…」
fj「レモンサワー…?こんなの飲んだっけ…?」
カシャン、と音を立てシンクにジョッキを置く
そして埃一つ無い写真立てを見る
そこには俺と笑ってるレトさんの写真がある
俺がレトさんに告白した時に撮った写真だ
いい天気だ、朝食を食べに出掛けようか
そんなことを考えて準備する
お気に入りの指輪をつけ準備完了。
どこで買ったかは忘れてしまったが、気がつけば手元にあった。
なぜかなかなか手放せない指輪だ。
fj「さ、行くかぁ」
『いってらっしゃい』
fj「へ?」
気のせいだろうか
懐かしいような、切ないような
そんな感じがした。
fj「行ってきます!」
部屋は微かに酸っぱいような苦いような
レモンサワーのような匂いがした。
————‐———-
完