指にあるすごく薄い、今にも消えそうな跡を見て目覚める。
目を横へと逸らす。眠っている元貴。
このまま全て綺麗に保存できたら ..
なんて汚い欲望が目に見えるように暗く渦巻いてくる。
「元貴. 朝だよ」
そう問いかけると可愛らしい目がゆっくりと開く。
「おはよ、笑」
そう溢すと
抱きつきおはようと言ってくる元貴。
かわいいな。天使かな
「若井って本当に優しいぃ」
急にそんなことを言ってきたから驚いた。
「何急に笑笑」
「前の人はこんなに.. あっ、」
前の人は .. ?
確かにそんなことだろうとは思っていたがいざ言われると頭に来るな。
しまったと言わんばかりに声を漏らした元貴にも。
「今は俺だけだよね」
問いかけるようにそう言う。
「うんっ、そう、若井だけっ、 .. 」
元貴は小さく頷くが、その目はどこか遠くを見ていた。
俺はその様子に苛立ちを隠せず、殴ってしまった。
「いだ”ッ , … 」
「嘘はつくなよ。お前が俺以外を想ってるなんて許さねぇから。」
元貴の唇が震える。 元貴の中で、 過去の影がまだ消えていないことを感じ取った。
ご飯なんて食べる気は起きずそのまま元貴を置き去りにして家を出た。
ドアを閉めた音が頭に酷く響いた。
衝動的に飛び出してしまった。
少し歩いたところで、暇だから女でも捕まえようなんて考えているとき、ふと我に帰る。
「逃げてないよな .. 」
頭の中でその考えがぐるぐる回る。
元貴は逃げない。俺から離れないといつから確信していたのだろうか。
たった数ヶ月の関係。薄っぺらな。
勝手に元貴を飼ってる気でいた。
「元貴がいなくなる … ?」
俺には何も残らない。
足が止まり、戻る決意が固まる。
胸の中に渦巻く混乱を抱え、再び家へと向かった。
ドアを開けた瞬間部屋が静まり返っていることに気がついた。
「元貴 .. ?」声が震えた。
嘘だろ。本当にいなくなったのか、。
焦りが強まり息が荒くなってきたとき後ろから声が聞こえる。
「わか、ぃ … ??」
後ろを振り返るとそこには萎縮した元貴が。
顔も見ず勢いよく抱きしめた。
「ぇあッ .. 」
「逃げたんじゃなかったんだな .. 」
そう声に出すと安心からか目から涙が。
「わかいッ、」
「元貴がいなくなったら、俺は生きていけない。」
普段の裏側だった弱さと孤独 を晒す。
元貴は戸惑いながらも俺に受け応えていた。
抱きしめる力がより強くなる。
「元貴は俺の全てだから , .. 」
その言葉を皮切りに元貴も自分を吐露し始める。
元貴は俺の胸に顔を埋めたまま、小さく息をついた。
「怖かったんだ .. 」
とても小さな声。だけどそこにはいろんな想いがあることを理解する。
「言葉も声も全部消えたみたいで ,」
変な切り方。おひさの更新。
この作品続き書けたんやなー。って感じです( )
まだ続くゼェぇ
コメント
1件
最高ですうううううううう更新ありがとうございますううううう!