テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#冴潔
蒼猫
5,070
424
102
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ピピピ…ピピピ…
「…んん”…」
俺はモゾモゾしながら二度寝する。
そしたらそっと誰かが扉を開ける音がした。
(誰だょ…)
嫌な気もしつつ、重い目を開けたら
「は…?!」
「へ?!急に起きんなびっくりする…」
姉がすげぇ至近距離にいた。怖かった。
「びっくりしたはこっちのセリフだろ…」
「と、とりあえず起きて、お兄ちゃんが起きろって言ってた。じゃ」
不貞腐れたように出てったあいつを見て清々した。今回は俺の勝ちだろ!
そんなこと考えてドヤ顔してたらまた
「…何してんだよ」
「…兄ちゃん…」
昨日は日曜日で休日だったが、今日は平日。
ということは学校がある!!
前々からちょくちょく考えていたことを、俺は再度考えた。
(学校の奴らにあいつのこと聞いたら弱み握れるんじゃね?!)
と。
ちなみにきょうだいで同じ学校に通っているが、ほぼ全員別行動。もしくは兄貴と姉貴2人で行ってるかのどっちか。
言っておくが、家庭内ぼっちとかじゃねぇ。俺が断ってるだけだ。
学校の準備が終わり、俺はそそくさと家を出る
通学路、特にネタにできることもなく、学校に到着。
俺の教室は1-4。
廊下突き当たりすぐの場所に教室があるおかげで無駄な労力を惜しまなくて済むのがこの教室のいいところといったとこだろう。
ガラガラガラという音と共にスライド式ドアが開く。このドアうるさくて地味に嫌い。
教室にサッと入ってサッと座る。
そこからはほぼ俺の領域展開が発動したと言っても過言では無い。
だが、そんな俺の領域展開も破ってくる愚か者がこの教室にはいる。
「りーんちゃん!眠そうだね〜。」
うるせぇ蜂が来たことにより俺の休息が失われた。どうしてくれんだよ。
ちなみにこいつは蜂楽廻。
黒髪にインナーカラーで黄色。 例えれば逆さプ〇チンプリンってとこ。こいつをみたら真っ先に思うことは、この学校の校則がだいぶ緩いってこと。
「俺の休息を無駄にするんじゃねぇカス」
「休息って言ったって寝るかぼーっとするだけでしょ?眠いのは凛ちゃんの自己管理がなってないだけじゃん。」
蜂のくせにいいとこ突きやがって…
じゃねぇ、今回のメインを忘れていた。
「…糸師世一ってどんなやつだ。」
「え、きょうだいだよね?聞かなくても分かるくない?」
勘のいいガキは嫌いだ…とか思ったり。
「いいから答えろ、どんな感じだ。」
蜂楽が渋々答えた。
「先輩優しいよ?サッカー部のマネージャーってのもあるんだろうけど、スポドリとかすぐ作ってくれるし、普通に愛想いいしね。」
「…?」
俺は今正に宇宙にいる猫状態。
あいつが優しい?愛想いい?冗談もほどほどにしてほしい。
まぁ?一応、もうすこ〜し聞いてみることにする。
「他には?」
「…そんな気になる?まさかのシスコン?」
聞いた俺が馬鹿だったと心底思う。
「はぁ…愛想いいとか冗談程々にしとけよ。三途の川見ることになるぞ。」
少しばかり脅しておく。
「いやいや、ホントだって!凛ちゃん、まさか愛想尽かされてんじゃない?」
愛想を尽かすとは。
相手がすっかりあきれて、自分に対する好意や信頼の気持ちをなくしてしまう、見放されてしまうこと。(Go〇gle調べ)
「俺が?ないない。」
だってパシられてもちゃんと全部言うこと聞いてるし。いい弟だろ。
(お兄ちゃんから言われたダメ出しを全て記憶から抹消している模様。)
「えーどっからその自信出てくんの?」
純粋な疑問なのか煽ってんのかどっちかでお前の未来は決まるぞ。
まぁいい。俺はこんだけ聞けただけでも充分だ。弱みは握れたし。
「あ、ねーなんかドアにお姉ちゃんいるよ?」
「は?」
ガチだ。女達にかわいいですねってチヤホヤされてる姉貴が隙間から見える。
とりあえず急いで駆け寄る。面倒なことになってもごめんだから。
「なんの用だ、姉貴…」
「え、あー体操服貸して欲しくて」
なんか、地味に声色が優しい気がするんだが。
とか思ってたら周りの女子がこう言ってきた。
「糸師のお姉ちゃんだったの?!ちょーかわいーじゃん!」
「兄と姉が美人だとそりゃ弟もこんなイケメンになるよなー。」
とかなんとか。女子のノリって怖い?
「えーありがとね。」
照れながら言うな姉貴。こっちまで照れる。
「…一旦あっち行くぞ姉貴。」
こんな女子だらけの場所にいたら俺の生命が危ない。
そう感じた俺は、姉貴を連れてそそくさと廊下へ逃げた。
「…今どきお姉ちゃんのこと姉貴って言う人いるんだね。 」
「んね。思った。」
JK共。食い気味に返事してんじゃねぇよ聞こえてんだよ廊下だから。結構気にしちゃうからなそれ。
廊下。
他クラスの生徒がうるさいのでそこまで気まずくは無いことが救い。
「…」
「…」
前言撤回やっぱり気まずい。
とりあえずこの空気を何とかするべく話をかけてみる。
「なんでここ来たんだ…姉ちゃん。」
「えだからさっき言ったじゃん。」
尺のためにもう一度言ってもらいたいところ。
「だから、体操服貸して欲しくて。」
照れくさそうに言う姉貴に妙に違和感を持つ。
「兄ちゃんに貸してもらえばいいだろ、んで俺なんだ。」
「仕方ないじゃん!2年と3年今日合同授業だし…」
たじたじと答える姉貴。案外かわいい。
「友達は?」
友達がいない俺が言うのもなんだが一応聞く。
いや、いないんじゃない。作らないだけだ。
「名前のとこ糸師じゃなかったらおかしくない…?」
「でも名前に凛って書いてあるぞ。」
正論を言ってしまった。今の姉ちゃんはいじめがいがあって面白い。
「い、いいでしょ貸してよ!時間ないし!」
「兄ちゃんと一緒だから授業絶対受けたいの!早く持ってきてよ!」
これが俗に言うツンデレか…とか思いつつ渋々貸すことにした。
「ん。」
そう一言いって体操服を強引に渡す。
「ん、ありがと。」
不服そうな顔してんじゃねぇよ。お前が貸せって言ったんだろうが、って思ったけど口に言うのはやめた。殴られそうだから。
「あんたってサイズどんくらい?」
「XLくらい。」
「そっか。入るかな~…」
こいつの身長が158cmあたりだと考えると、どう考えてもでかいと考えられる。まさに彼シャツ的な、彼体操服…語呂悪くないか。
「入るんじゃね、でけぇけど。」
「そ、まいいや。ありがとね。」
腹あたりにあるふかふかな感触、これは今正に抱きしめられているのかもしれない。
「は。」
「いつもしてるでしょ?それじゃね。」
小悪魔みたいな顔して去っていった姉貴。
さすが男誑し、恋に落とす技も完璧に覚えているようだ。俺には効かないけど。
「…死ねクソ姉貴…」
やっぱり案外効いてたかもしれない。
おわり