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桃 朝ごはんありがとうね。
青 別にいつもやっとるし。
桃 いつもありがとう。
青 当たり前の事してるだけや。
やっぱり彼は自己肯定感が低い。
自分の事を恋人だと自覚しているのだろうか。
家政婦だとでも思っていないだろうか。
桃 とにかくありがとう
そう言って優しく彼の体を包み込むと、彼の体がビクリと震えた。
あぁ。
まだダメだったか。
青 ごめんな…
もう仕事の時間やろ。
いってらっしゃい。
桃 行ってきます。
桃 ただいまー。
青 おかえりなさい。
お風呂も溜まっとるし、ご飯も…
桃 大事な話しようか。
ごめんけど全部後でね。
青 …。
わかった。
うつむいたまま彼は椅子に腰をかける。
俺は対面の椅子に腰を掛け、彼を見つめる。
桃 まだ怖い?
青 …
彼の方がビクリと震えた。
図星か。
桃 手出して。
青 え…?
桃 いいから。
不思議そうな顔をしながら彼は俺に手を差し出す。
俺はその手をそっと包みこんだ。
桃 よく見て。
よく感じて。
よく触れて。
これが俺の手だ。
青を殴った元彼の手じゃない。
青 …おん。
桃 今すぐに慣れろなんて言わない。
でもさ。
もっと頼って甘えてよ。
俺と青は恋人なんだから。
真っ直ぐに彼のことを見てそう伝えると、
彼の瞳からは大粒の涙が頬を伝った。
青 ありがとうっ…
ごめんなさいっ…
俺…ほんまに桃が好きで…
絶対に別れたなくて
そう思ったら上手く甘えられんくて。
もしかしたら前みたいにって…。
それでっ…
桃 結局青が我慢しながら付き合ってたって意味ないでしょ。
それに。
そろそろ許せないんだよ。
青が俺を見るたびにそこに元彼が重なってることが。
俺はそんなに大人じゃない。
今すぐ甘えられなくてもいい。
だから
我慢しない方法を教えてあげる。
その代わり
ーー俺に全部頂戴?
青 な…なぁ。
今日なご飯作ってんよ。
褒めてや。
初めはぎこちなくて、それが初々しくて本当に可愛かった。
でも、これはまだ一部でしかない。
もっともっと。
ーー俺に全部頂戴?
半端なのなんていらない。
青 なぁ。
今日は自分で起き上がれたんよ。
1人で下まで降りてこれたし。
早く褒めてや。
青 もう仕事行くん?
何時に帰ってくるん
俺一人じゃ何もできへんねんで。
桃がいないと俺…
早く帰ってきてや。
青 俺も一人で桃のために色々してあげたいんやけど、もうどうやってたか思い出せんねん。
なんでやろな。
もう桃がいないと俺…。
青の声は弱くか細くなっていく。
外に出ない白い肌に咲く俺の独占欲が見える。
俺に縋って、縛られて。
ーーちゃんと変わっていって
る。
あぁ。
もう俺なしじゃ生きていけないんだよね。
可愛いね。
これでやっと、俺のモノ。
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コメント
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これから忙しい時期になってしまうので投稿頻度が下がることをご了承ください。 皆様の好きな作品や雰囲気、リクエストなどがあれば教えていただけると幸いです。 リクエストはできる範囲で受けようと思います。