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プロローグ
若井side
冷たい風が俺の首や顔に張り付いて、うざったいくらいに俺の体を冷やす
「ねぇ、元貴」
「今俺たち中学生じゃん」
「これから俺ら、どうなるのかな」
屋上からみる校庭はまるで海みたいで
広くて、一面砂の色で、今にも飛び込みたい
「..心配しなくても」
「俺らは大人になれないから いいんだよ。」
「これからなんて」
「考えても無駄だよ」
そう冷たい目と声で教えてくれる
「…ッ」
「そおだよねぇ…ッ」
「…怖気付いた?」
「やめる?」
「…んーん。」
「決めたからいい!」
「そっか… じゃ 行こっか」
「せーの!!!」
「まって!!」
飛ぼうとした瞬間、いきなり彼に止められた
「…ッと」
「どうした?」
「最後に約束しよ?」
「約束というか、おまじない」
「おまじない?」
「うん、」
「生まれ変わっても、あの世に行っても、」
「ずう〜っといっしょってお まじない。」
「…うん。もちろん!」
「俺と元貴は、ずっと一緒!」
そう言いお互いの小指を結んだ
「…」
「よし!今度こそ!」
「…うん」
手を繋ぎ直し、風と一体化する
「せぇの!!」
鳴り響くサイレンの音
体を突き刺すような人の悲鳴
そして何より
酷く痛む自分の体
体から血の匂いがする
なんだか意識がとてもふわふわしてるや
恋人と手を繋いでいた感覚すらも無くなる痛みだ
来世はいじめなんてない天国みたいな所に行きたい
…
おやすみ
数年後…
朝高校に行くと、教室にあったのは
同級生の首吊り死体でした
仲良くない、同じクラスの佐々木
同中で、高校生になっても俺へのいじめが耐えなかった、そんな屑
生で首吊りを見たのは初だ
「これ…元貴がやったの…?」
「うん!だって、こいつ若井のことずっといじめてたんだもん」
「殺すしか、ないよね」
そう不気味に微笑んで俺に教えてくれる
_佐々木くんッ!!?
_いやッ誰かッ先生っ!!!
_俺先生呼んでくるッッ!!!!
_おい早く降ろすぞ!!!!
そう言って同じクラスの女子や男子が首吊り死体を下に下ろす
「若井をいじめたあいつが悪いのにね」
そう淡々と口から言葉を発する
「でも…殺しちゃダメだよッ」
「…ごめん、次から殺さない」
「でも、若井のこと虐めたやつもうみんな殺したからな〜」
この学校は不可解な死を遂げる生徒が後を絶たない
この前は飛び降り、その前はプールで溺死、そのまた前は学校裏の焼却炉で焼死
みんな共通してることがあるとするなら、俺を虐めたやつ
自殺と他殺の両方で操作を進めるがらすぐ犯人を見つけることが出来ないそうで捜査は難航、
指紋ひとつなく防犯カメラにもその死んだ生徒の姿しか映らない
「でも、面白いよね」
「その死んだやつには俺の姿見せれるのに防犯カメラには映んないんだよ」
そう言い俺の背後から抱きついてくる
「そりゃそうだよ」
「元貴死んでるもん」
あんな口約束
おまじないなんかじゃない
これこそ呪いかな?
…どうでもいいか
これは大人になれなかった幼なじみと
望みもしてないのに高校生になった俺の
いや、 飾った喋り方は好きじゃない
これは成仏しない亡霊と
死にぞこなった人間の
世界一綺麗なお呪いのお話です。
このお話、数年前に書いた話で、元々別の界隈のnmmn小説だったんですが、ところどころ変更して❤️💙になりました
⚠️死ネタです⚠️
ではまた次回
ばいばい!もくでした👋
コメント
4件
神作の予感……
飛び降りときさ…グチャッて落としたんだけど…気のせい…?