リリーの足元で、砕かれたはずの 筆の破片 がゆっくりと動き始めた。
「……ん?」
彼女が怪訝そうに眉をひそめる。
破片は 黒いインクのようなものを滴らせ ながら、 リリーの影に滲み込んでいく。
「……なんか嫌な感じ」
リリーが 足を引こうとした瞬間――
ズブリッ。
「ッ……!? なにこれ……!!」
足から 黒い線が伸び、身体に絡みつく。
「――言っただろ?」
主の声が、不気味に響く。
「私の筆は“ただの道具”じゃねぇ」
リリーの腕が黒く染まる。
「壊した者は――」
主が にたりと笑う。
「新たな筆になるんだよ」
ドクン。
リリーの全身が痙攣した。
「クッ……!? な、ん……だ、これ……!」
彼女の 指先がインクに染まり、まるで筆の毛先のように細くしなやかに変化する。
腕全体が筆の形に変わり始めていた。
「おいおい、まさかとは思うが……」
葵が冷ややかに呟く。
「“人間を筆にする”能力……?」
「正解。」
主は 筆を失ったはずの手を掲げると、そこには新たにできた“黒い筆”があった。
リリーそのものが、新たな筆になっていた。
「……ッッッッ!!」
リリーが歯を食いしばり、抵抗する。
だが 黒いインクがじわじわと身体を侵食 し、筆としての機能を強制されていく。
「おいおい、マジかよ……」
葵が 思わず舌打ちをする。
世界No.2の殺し屋が、一瞬で“道具”にされるとは。
「さて……」
主は 黒い筆を振るい、新たな力を試すかのように微笑んだ。
「試し書き、させてもらうぜ?」
そして リリーの身体が、真っ黒な“筆の線”へと溶けていく。
「――ッ!!」
リリーは叫ぶ間もなく、完全に筆の一部になった。
「ハハッ!最高の書き味だな」
主の笑い声が、船内に響いた。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁ!!! あー、、、やばい誰が悪なんか分からんくなってきたよ(( さあアオたんかなりピンチなんじゃ、、??どうするんや、、、? うちの子なら、、、いや分からんな(((? (トアたん〇されとるからちょっとやってもいいんじゃないかと思ってしまったうちを〇してくれ((? 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいいぃ!!!!!
うわぁぁぁぁぁぁぁぁなにこれ能力凄すぎ!!!?続き楽しみ!!
主ぃぃっ!!!!!✨✨まさかそんな能力を持っていたとは、!!!これはいいイラストが描けそう!!ってことで描いてきます!!続き楽しみです!