ザバァァァァァァン!!!!
船の甲板に 豪快な水しぶき が上がる。
「……ん? 何だ?」
主が振り向くと、そこにいたのは――
全身ずぶ濡れの誌音だった。
「はぁ……はぁ……やっと、着いた……」
ボロボロの服 を引きずりながら、甲板に這い上がる。
「まじで、クソ……!! 何時間泳がせるんだよ!!!」
そう、故バルドに海へ叩き落とされて以来、彼女はずっと泳いでいた。
「クソバルドめ……海に落としやがって……覚えてろよ……!!」
髪をかきあげ、 ギラついた瞳 で周囲を見回す。
「……ん?」
彼女の視線が ある一点 に止まる。
そこにいたのは――
トアの死体。
「……」
表情が 一瞬で変わった。
「……あぁ?」
脳内で何かが弾け飛ぶ音がした。
「おい、どういうことだこれ。」
ゆっくりと立ち上がる。その足元に 黒いインクが滲む。
いや、それは 影が揺らいでいるだけだった。
「トアが……死んでる……?」
誰がやったのかは 一目瞭然 だった。
葵を見た。
「……は?」
葵が ゾクリ とした。
「おいおい、待てよ。何だ、その目は。」
誌音の瞳は 完全に狂気のそれだった。
ガクッ。
葵の足が かすかに震える。
「……葵、お前がやったのか?」
誌音は 静かに問う。
「……あぁ?」
葵が 眉をひそめる。
「トアを殺したのか、って聞いてんだよ。」
口角が引きつる。
その目は完全に 獲物を見つけた獣のそれだった。
「おいおい、トアが死んだくらいでそんなにキレんなよ」
葵は 苦笑しながら 肩をすくめる。
「アイツは元々クズだったんだろ?」
「……」
「お前のことも道具みたいに扱ってたんだろ?」
「……」
「そんなやつ、死んで当然――」
「0.11秒。」
葵の 視界が一瞬で歪んだ。
ドン!!!!
胸に大穴が空いていた。
「……あ?」
葵の意識が遅れて現実を理解する。
「……な……何……?」
「0.11秒。お前はそれで死んだ。」
誌音は指を鳴らす。
「理由? トアを殺したから。それだけ。」
葵の口から血が溢れる。
「は……はは……何……これ……」
視界がぐにゃりと歪む。
「……負けた……?」
「うん、死んだよ。」
誌音が 笑った。
「……おやすみ、葵。」
ドサッ。
葵の 身体は音もなく崩れ落ちた。
誌音はゆっくりと立ち上がる。
「さて。」
彼女は 主を見た。
「次はお前だな?」
主の 背筋に、冷たい汗が流れた。
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コメント
2件
今回も神ってましたぁぁぁ!!! おおおぉ!誌音登場、、!!✨って待て何時間も泳いでたんすかやばくね??() その状態であの強さやろ、、、???やばぁ((? てかてか誌音めっさ強くなっとるやん主たんとどうなるんやぁぁ、、 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいいぃ!!!!!!
詩音ちゃん生きてた…!!え詩音ちゃん強((これからどうなるんだろ…?楽しみです!