欠伸 様へ
呪術廻戦 夏油傑 様の夢小説
⚠自己満夢小説
⚠オーダー夢小説
⚠お名前入り
⚠雰囲気重視
⚠ちょい意味不明
⚠絆されちゃう夢主ちゃん
⚠離反後
上記が平気な方だけお進み下さい𓂃🙊
「…は、」
それは蝉の鳴き声が耳をつんざく夏のこと。
肌にまとわりつく暑さはあの時のことを鮮明に思い出させる。
出張で都外に出て、任務を終えてさっさとホテルに戻ろうとしていた時。
人の群れの中で目に飛び込んできたのは、もう一生見たくはないと思っていた彼の顔だった。
時が止まったように感じて、この世界に私と彼2人だけになった気がした。
視線に目ざとく気付いた彼と目が合うと、背後に現れる呪霊の気配。
私の反応より早く動いた呪霊に捕われ、私はあっという間に人混みから路地裏に連れ込まれた。
「離して!」
呪霊の触手のようなもので手足を拘束されて暴れる私を、彼…夏油傑はにこやかに見下ろしていた。
「結華から会いに来てくれるとはね。どうやって場所を突き止めた?」
「会いに来たんじゃない。そもそも貴方の居場所なんて興味もない」
「酷い言い様だね」
夏油は大袈裟に悲しそうな顔を作ると 、草履特有の乾いた音を立ててこちらへ歩み寄ってくる。
切れ長の瞳を睨み上げると、愉快そうに笑った。
「ずっと君を待ってた。私のところへ来てくれると信じていたよ」
「待ってた…?貴方が私を捨てたくせに」
「すまなかった。待たせてしまったのはどうやら私のようだね」
夏油の大きな手が私の耳を撫で、頬を包む。
その感覚に懐かしさを覚え、それを振り払うように顔を背けた。
「結華はもう、私のことは好きじゃないのかな」
「当たり前でしょ」
袈裟からするお香の香りが鼻腔をくすぐる。嗅ぎなれないそれに頭がクラクラした。
「それは…悲しいな」
眉を下げて私を見つめる金色の瞳。何度も見てきた熱を孕んだ潤い。
それが細められて、私は息を飲んだ。
少しかさついた柔らかい感触と心が融解される感覚。
「っ……」
「本当に私のことは、もう好きじゃない?」
低く甘美な声色が鼓膜を震えさせる。
耳元で言われてしまえば、私の心も固い意志も、何もかも崩れてしまった。
気付けば呪霊の拘束なんてとっくに解かれていて。
ゆっくりと首を横に振る私に、彼は心底愛おしそうに微笑んだ。
これだから、できることなら会いたくはなかった。
そう思っても、もうとっくに手遅れだ。
私も、彼も。
コメント
2件
ごめんねてまりちゃん!! 読むの遅れちゃった😢😢😢 ふぇ、神すぎます!!!! 少し大人な感じの雰囲気と語彙力が無くなるほどの文字力がホントすごいです ほんとありがとううう😭💗