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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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ある日の朝だった、その時僕は9歳になっていた

早いって?ご都合設定だよ


「アキト!お外へ遊びに行こう?」


アヤト、僕の兄さん。白い短髪に少しつり目で引きずりこまれそうな漆黒の瞳を持つどこか儚い空気を纏った人だ


「あ、兄さん。うん、行こう」


俺の家は深い森の中にあって魔術の練習とかも森でたくさんする

なるほど今日はかけっこらしい


「よーし、アキト。じゃんけんで負けたほうが鬼ね!」


「うん!」


そうやってお昼前ぐらいまで遊んでた

そしたら急に、アイツは来たんだ


「こんにちは」


ソイツは灰色の髪に薄暗い目をした小柄な男の子だった


「こんにちは…?」


「えーと、君は誰?」


兄さんはそう質問した


「僕の名前はヨセフ、頼みがあるんだ」


「頼みって何?」


僕が聞く


「道に迷っちゃったんだ、良ければ君達の家で休ませてくれない?」


子供の特徴として純粋無垢というのがある

そう、僕達は子供

純粋過ぎたんだ、僕達は










気付くとそこには無惨な姿になった両親がいた







あの後、両親は温かくヨセフを迎えた

こんな深い所まで迷うなんて大変だったね、なんて話していた

最初は楽しく話していた

でも急にヨセフが化け物を連れてきた、

ペットと言っていたがコレは紛れもなくキメラだ





そして、父の右腕を切り落とした


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”…ッ!!」


父の悲鳴が鳴り響く


次に母の左足を切り落とした


「あ”ぁぁぁぁッ!!」


「ダメじゃないか逃げたりなんかして…」


父はよろけながら自身の魔術で戦った

しかし…父は倒れた


「ヴィク…、トリ……ア…」


「シキナ!!!」


母が僕達に覆いかぶさった


「せめて…ッあなた達だけでも…ッ!」


斬撃が母の背中に走る


もう母に自我など残っていないだろう

母の白い肌がどんどん赤くなっていく

血が僕達の頬を染める

母の綺麗な髪がむしり取られた時、母も倒れた

あぁ……化け物が僕達を襲う


気付くと、もうヨセフはいなかった

僕が這いながら部屋を見渡すと、両親の髪や足、腕などが無かった


きっと化け物の材料になるのだろう


僕は頭が真っ白だった

兄さんだけはまだ息がある


「兄さんだけでも助けなきゃ…ッ」


僕は魔術の本が多数置いてある棚まで這い、蘇生に関する本を血眼になって探した


「これ、でもない!これでもない…!」


そして


「、!これだ…!」


ついに見つけた蘇生の本

しかしそれは蘇生とはまた異なるものだった

それは、人間である事をやめる方法だった

言ってしまえば、呪いだ

代償を払うと後何千年と生きられるらしい


術をかけれるのは2人、術者と蘇生者。

このときの僕には代償などどうでも良く、ただ兄だけでも救いたかった

本を開く


止まらない血

目が溶けるほどの涙

気持ち悪いくらいの冷や汗

溢れ出そうな気持ち


それを全て押し殺して自分の血で魔法陣を描いた


「ッ…はぁっ…!はぁっ…!」


もう身体が限界だ

そう考えながら描き進めて行くとやっと陣が完成した


あとは詠唱のみ

焼ける程痛い喉を我慢しながら掠れる声で言った


「起き…ろよ、起き…ろ、ゴホッ…汝の、身…眠れ、や眠れ…烏の羽…、」


「生きゆく…ために、ッ代償、を…汝…の身に、幸せを……、ゴホッゴホッ」


「やがて…ッはぁ…血を吐き、息…絶えるまで、呪いは…祝、福と…化、す…」


その瞬間、眩しい光に包まれた


「ん”んッ…ゴホッ…ガハッ…、!」


目の前には黄金の天使の羽を持つ妖精と精霊

金のたおやかな髪と真っ白な目が輝く


【汝よ、代償を払え】


成功だ、するとも思わなかった

これで…良い…。


「へへ…ッ…やりぃ…魔術師の子…ナメんなよ…」

魔法使いの嫁 ーグレースケールの精霊ー

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