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メイ「…あなた、」
『はい?』
メイ「昨日までの自分の立場、覚えてるの…?」
『えぇ、もちろん。刺激的な数日でしたね』
メイ「あのねぇ…少しは反省してくれる?」
メイ「騎士様のことも…」
『反省はしていますよ。』
『少々難儀な賭けをしてしまったので』
メイ「?賭け…?」
『まぁまぁ、いいじゃないですか。
あ、後で訓練場にいきますか?』
メイ「っ、行かないわよっ!」
ーーー
【昨夜】
『レウ様。』
レ「え…君どうやって…」
〝取り消しを申請して…〟
レ「…念押ししに来たの?悪いけど、
考えはもう決まったよ。俺の中で」
『それは残念。せっかく昼間に騎士様から鍵をとっておいたのですが…』
レ「…本当に君、底がしれないよね…」
『あら、どういう意味ですか?』
レ「考えてよ…」
レ「…聞くけどさ、何をしに来たの?
俺を殺しに来た?」
『交渉…いえ、賭けですね。
賭けをしに来ました』
レ「賭け…?」
『はい。私が生きるか、死ぬかの賭け。』
レ「…こんなこと言う柄じゃないと思うかもだけど。人の命をかけるのは好きじゃないよ」
『そんな気がします。でも、こうでもしないと貴方様は私を助けてはくれませんでしょう?』
レ「…」
『無言は肯定としてとりますね。本題です。
私が明日、死んでしまったら。この国が脅かされる可能性は潰えます。』
レ「俺にとっては好都合だね。」
『私が明日、生きていたら。』
レ「…」
『何もしません』
レ「っ、え」
『ですから、なにもいたしません。』
レ「なにそれ…」
『なにそれ…と言われましても…、これが貴方様にとっては、1番の選択肢だと思います』
レ「…君のそういうとこが俺は怖いよ」
『あら、これが私の思いやりでございます』
レ「…考えさせて。」
『もちろんでございます』
レ「もし俺が、俺がさ、前者を選んだら、どうするの?」
『…え、レウ様、私が〝貴方様が前者を選ぶ〟ことを想定していると思われますか?』
レ「なんなの…君…」
『貴方様のことは理解しているつもりですので』
レ「今まではなしたこと、ないと思うけれど」
『今までお会いしたことはありますので』
レ「…?それも…」
『それでは、おやすみなさいませ。良い夜を』
レ「っちょ、」
パタン…
レ「少しは教えてよ…」
振り回さないで、怖がらせないで、
レ「…違うか、俺が先にやったんだ」
もしあの子が、ただ、この国のために働いて
それをみどりくんやコンちゃんが
気に入ったとしたら、
レ「…なんだ、人のこと言えないじゃん、俺」
眠れなくて苦しい夜だったのに
妙に清々しい月の綺麗な夜だった