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運命ってものは本当にあるのだと思っている。そうじゃなければ僕はこんな人を好きにならなかったから、、、、、、
「おはよ。」そんな言葉を友達という存在にいつ言ったかなんて覚えていない。言う相手もいなければ、言う意味すらないと感じている。そんなことを考えながら廊下を歩く。なんにも起こらないただの日常だ。別に非日常を求めている訳でもなければ、日常を過ごしたい訳でもない。よく分からないまま生きている。教室に入り静かに座る。そのまま読書をする。あんまり集中していないからか周りの声が多少聞こえる。それを何となく聞いていると。
「來華ライカ君ってさαなのにα感ないよねw」
「ねぇーそれ言ったら可哀想でしょww」
「まぁ別に來華くんがαでもΩでも正直興味無いwwww」
「それなぁw」
「でも顔はいいんだからもっと存在感あればなぁww」
「流石にそれはwww可哀想だってーwww」
そう聞こえてくる。何を言おうここは男女とは別に第二の性、オメガバースというものがある。権力、勉学、運動全てにおいて長けているα。普通に生きていけるくらいのβ、そして2ヶ月に1度くるヒートというものを持っているΩ。この3種類にわけられる。そしてαとΩは番というものがある。ヒートの時Ωはαにか効かないフェルもんがでる。その時にαがうなじを噛めば成立する。それによりΩのフェルモンはその番のαしか誘わない。というものだ。そしてその番を欲しがっているものは沢山いる。ただ僕のようにヒートが来ても制御剤で済んでしまうものがたまにいる。ただそれも極1部。βに近いから大丈夫という存在だ。
(どうせ僕には番なんてできないさ、、)
そう考えているうちにチャイムが鳴る。生徒が着席し先生がHRを始める。
「今日は転校生が来た。」
その発言だけで辺りがざわめく。それもそうなんだって今は6月。転校にしては珍しい時期だ。
(珍しいなぁ、、、誰が来るんだろう、、)
そんなことを考えていると、、
「じゃあ入れ黒瀬」
「失礼します。」
入ってきてすぐにわかってしまった。この人はαだと。高い身長。明るい髪なのにチャラそうには見えなく、綺麗に整った顔。カリスマ力がありそうな空気感を漂わせている。
「黒瀬 凛斗です。時期外れな転校だけどよろしく。バースはαだ。」
そう言い終えると拍手に歓声がでる。その時目があった。凛斗という人は少し驚いた顔をしてからすぐに目を逸らした。
(なんだったんだろ、、、)
「じゃあ凛斗の席は來華の隣な。來華教えてやれ」
「黒瀬くんここだよ、、」
そう手を挙げながら作り笑顔で言う。それでもなんの反応もなく。
「おう。よろしくな來華!!」
そう言われた。びっくりした。咄嗟に照れを隠す。
「それじゃあ授業始めるぞ。」
授業終わり。休み時間は黒瀬くんの周りに人がめちゃくちゃ集まってくる。きっと質問攻めだろう。ただ僕は人混みが苦手だからトイレに行く。その時廊下に出たら誰かにぶつかった。
「、、、いって、、あっすみません、、。大丈夫ですか?」
そう言いながら立ち相手に手を貸す。
「うん。ごめんねそっちこそ大丈夫かい?」
「はい大丈夫です。」
そういった瞬間だった。身体がビクッと反応し、甘い匂いで身体が熱くなる。全身から汗が出て床に座る。
(何?急になんで、、?しかもこんなに甘くて苦しいのなんて知らない、。初めてだ、、ヒート?なわけないよな。だって制御剤は飲んである、、、なのになのになんで、、?)
「だっ、、大丈夫、、?」
そう言いながら荒い呼吸音が聞こえてくる。僕は震えながら言う。
「ほ、保健室まで運べますか、、、、、?」
そう言い終わると全身の力がぬけて倒れた。