「むりむりむりッッ!!!!!泣」
奏斗の絶叫が部屋に響いた。そりゃあそう言うだろうな。いやに冷静だったのは俺とアキラの二人で。
「いやいやっ、まてまて、意味が分からん、アキラっ、お前はいい、の…?」
「…、たらいは言い出したらやるまで駄々こねますから、仕方なくですよ」
唇をわなわなと震わせている奏斗を尻目にせらおは俺の服の裾をくいと引っ張って小声でささやく。
「…俺、奏斗と…まだ三回ぐらいしかしてないから慣れてない。」
なら、練習もかねてだ
「尚更見せ合いするべきだろ」
そしたらせらおも行為の手順?分かるだろうし…もしかしたら今日冴えてるのかもしれん、俺
ーーー
「…せら…」
稚げな声は甘やかに俺の理性を蕩かしていく。雲雀の新紫の瞳がゆるりと奏斗に向けられ、薄くて赤い唇が微かに上がった。こうするのだと教えるように雲雀の手が凪ちゃんの尻をぎゅっぎゅと揉み込む。あ、あ…とわざとらしすぎない程度に甘い声を上げる凪ちゃんに倣うように、奏斗も無垢な唇を微かに開けて、潤んだ瞳で俺を見上げる。ごくり、ともう一度喉が鳴った。
雲雀の指の動きを模倣するように俺は奏斗の尻たぶを揉みしだいていた。凪ちゃんの声をなぞるように奏斗はあえかな吐息を漏らす。毒のような艶めかしさをした瞳が品定めするように俺を見ている。無垢な眼差しは、いやらしいことをしているというのに清らかなままに注がれていた。
雲雀の唇が凪ちゃんの鎖骨を甘く噛み、ベロリと舐め上げる。少し仰け反らせた凪ちゃんの背中に肩甲骨の形が浮かんで相方のはずなのにいやに艶かしいと思った。
「あきらと……おんなじにして…」
甘くうっとりと蕩けるような声。吸い寄せられるようにちぅ、と吸い付くと気持ち良さそうな吐息が漏れて、もっと、と強請るように胸が突き出される。今の奏斗の背中も凪ちゃんと同じように肩甲骨の形に深い陰影がついているのだろう。……そう思った途端に、ぞわりと興奮が走るのを覚えた。
無意識に雲雀を真似て、歯のエナメルで奏斗の乳首を甘く噛んで扱く。あっ、あと甘く漏れているのは凪ちゃんの声だった。雲雀は八重歯の先で凪ちゃんの乳首を噛み転がしながらローションを纏った右手を後ろの窄まりに伸ばした。ぴた、ぴたと音をさせてきゅっと締まった場所を教えている。二人の眼差しに気圧されるように俺も久しぶりにローションをあけて奏斗の未開の場所に手を伸ばす。
「ぁ……」
「っ、ふ……♡」
「ん……く……」
凪ちゃんの身体の動きをなぞるように奏斗は身体を開く。雲雀の指が一本滑り込む。後を追うように俺の指も滑り込む。きちゅと締まって奏斗は身体を硬くした。不安でたまらないというように視線をうろうろ彷徨わせて、ぎゅっと閉じる。ふ、と吐息の笑いが聞こえて雲雀達の方を見た。
「たらい、もうちょっと奏斗に寄ってください」
「あー?でもあんま近付きすぎるとせらおが見えなくなるじゃん」
「遠いと奏斗が真似しづらいんですー…」
「ったく…」
きゅっと俺に縋り付いている奏斗の左手を、凪ちゃんの右手が包んだ。ぱちりと目を開けて奏斗は凪ちゃんに縋る視線を向ける。凪ちゃんは笑って奏斗の手を優しく撫でた。
「奏斗くそエロいですね」
「…こっちみんな、へんたい」
「ははっ、ねえ…貴方、さっきから息できてないでしょう。深呼吸して?」
「…っ、……うん、」
すう、はあと繰り返される呼吸は何も合わせていないのにぴたりとシンクロしている。
コメント
1件
好きです……続き待ってます……