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「もうあの子に関しての情報は無いよ。」
「早く逢いに行ってあげて。」
僕だって早くセツナに会いたい。
でも“約束の場所”がどうしても思い出せないんだ。
「ほらーはーやーくー…行ってあげて!」
リュシアンは悲しそうで柔らかな顔をした。
僕はとにかく道を歩む事にした。
とにかく覚えている場所を片っ端から行ってみる事にした。
ゴーン…ゴーン
僕はハイエンツ教会を見おろした
鐘の音と鳥が羽ばたく音だけが届いた。
「あれ、ここ知ってるかも……?」
僕はここを何故だか“懐かしい”と感じた。
「おい!!!」
いきなり声を掛けられたので僕の体はビクッと声も出ずに驚いてしまった。
「魔獣が出るぞ。ここから退け」
騎士の格好をした明らかに自分より年上な女性がいた。
「聞こえてるか?」
僕はびっくりした衝撃で体が動かなくなった。
「…まぁいい、ただの見回りだからな。」
「見回り?君、騎士団の中でも結構上なんじゃないのか?」
やっと話せる様になった。
僕は女性の胸に付いてある紋章を指差した。
「…コッチにも色々と事情があるんだよ、少年」
彼女は近くの倒れている木に座った。
「私は“女”だ。女は騎士になんてなるもんじゃ無いんだと。あまりにも理不尽ではないか?」
彼女は騎士団への愚痴をこぼした。
「私ばかり見回りで、他の奴らは守護とかしているクセに。」
お、おお
なるほど騎士にも色々と悩みがあるんだな。
「私は成績も剣術も頭脳も騎士団の中で1番だったんだぞ?有名な騎士の学校も卒業したのに___」
「ちょっとちょっと多いです!」
「あーすまない。昔から喋りすぎてしまう癖がな。」
彼女は冗談混じりに笑った。
「お前名はなんと言う?」
「ウィル・ブライアです。」
「そうか私の名はヴァイオレット・フリアエルフレリンス」
随分と長い名前なんだなぁ…
「随分長い名だなぁと思っているだろう?笑」
何故わかってしまうのか
そんなにも顔に出ていたのか、僕は顔を触った。
「ウィルは何故ここにいるんだ?危ないと噂されてるはずじゃないのか?」
「…ある少女を探しているんだ。」
僕の目はしっかりとヴァイオレットの目を見た
「そうか。」
短い…
あーでも別に質問を求めていた訳ではない。
でも“普通”なら聞いてくるかと思った。
でもその言葉を待っている訳ではない。
聞いて欲しいと思っている訳ではないのになんだかモヤモヤとした気持ちになる。
こんな事を思ってしまう自分が恥ずかしくなってきた。
「私も、とある友人を探している。」
「そう。」
ヴァイオレットも僕に聞いていないので僕も聞かない事にした。
リュシアンもそうだったから。
僕は相手の陣地に踏み込み過ぎてしまうのがダメな所だと自分でも思う。
だかr…………
「……………」
!!!!!
___魔女だ
ヴァイオレットが騎士だと言う事を思い出した。
ハイエンツ帝国の騎士は魔女狩りに参加しざるを得ない。
「ヴァイオレット!」
僕は咄嗟に手を伸ばした。
ヴァイオレットがこの子を殺めてしまうと思ったから。
ヴァイオレットは体を少しずらして僕はスカッとからぶって地面に体を打った。
「…残念ながら今の私は武器を持っていない」
腰にある剣を隠す様に腕を被せた。
「だから私はお前を狩る事が出来ない。」
その時のヴァイオレットはハイエンツの民を守る、“騎士”という名に相応しい表情をした。
「…行け。もう道に迷ってはいけないぞ。」
「…~!ありがとうございます!!」
魔女は泣きながら走り出した。
「ヴァイオレット……?」
「私の探している友人も魔女だった。」
「………へ?」
僕の喉から情けない声が漏れた。
「フローレンスを守ると誓って守護騎士になったのに、結局“魔女狩り”はそれを許さなかった。」
「守ると決めたのに…私が殺したんだ。」
「私は親友だったフローレンスを…優しくしてくれたフローレンスを殺した。
私はずっと死んだフローレンスを探している。会って謝りたい。」
_君は誰も殺してないよ
「君は誰も殺してないよ。」
何故か僕の口からスルリと流れ出た言葉。
「でも死んだ者に謝っても返事が返って来る事は無い。
君は一生それを背負って親友の分まで生きるしか無いんだよ。」
「……君は面白いな、少年。」
「そうだ!君にコレをプレゼントしよう!」
ヴァイオレットは何かを僕に差し出した。
「短剣だ。男から一本位持っておいても不思議じゃない。きっと使っても使わなくても君の役に立つさ」
「…ありがとう!ヴァイオレット!!」
「ああ、私も君のおかげで助かったよ。」
「私はこのハイエンツ帝国を守る。騎士団にもちゃんと自分の意見を言ってみるよ。」
「うん。」
「ありがとう、少年。」
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