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「今日は疲れたね。」ベットの中に入った私はそう言った。
「俺はそうでもないよ。小悠に会えたし。」このホスト、営業ふっかけてきてやがる。絶対疲れてるだろうに。
そして続けて、「今、結構変な状況だよね。」と言った。私もそう思う。だって、普通今日会ったばっかりの人と一緒のベットで寝たりしない。倫理的におかしい。
「それな。ほんと、どうにかして欲しいもんなんだけど。」
「嫌だろうから、俺は雑魚寝でもいいよ。」昇、いや昴はそう言ってくれた。本当に優しい人だ。
「それはやだ。」
「なんで?もしかして寂しいの?」半笑いできいてくるから、少し腹が立ってしまう。
「昴には感謝してるから。今日優しくしてくれたし。」人を褒めるときはなぜか耳が熱くなってしまう。直したい癖だ。でも本当に心から感謝してる。
「だけど勘違いするんじゃねえぞ。私、彼氏いるし。」昴と反対の方向を見てそう言った。
「え、そうなの。普通にショックだわ、こんなに可愛いのに。」
「は、え、ちょ、だまれよ」動揺してしまった。なんだこのクズホストは。さっきから甘区て優しい言葉が口から次々と出されて、私が糖分過多になってしまいそうなくらいだ。
「冗談だよ。ほんと、そんなので焦るなんてかわい。」この二言で、私は暗闇の中でも分かるほど、私の顔は赤くて熱くなっていたと思う。ホストの本領、発揮させないようにしないと。
「もう寝る。おやすみ。」半分怒った声で私は言った。
「おやすみ。」そんな私に昴は優しい声でそう返してくれる。
朝になった。くすんだ白い雲の中で、特に何も起こらなかった。ただ、いつもより目覚めが良くてイケメンが近くにいるとこんなにも眼福なのかと思うくらいだ。
私はいつもよりも寝てしまった。今日は平日だから、昴たちは学校だ。顔を合わせずとも、あの人のことが離れない。気にぴだ。まあ、私には優くんがいるから裏切ることはないけれど。
今日は高校で転校の手続きと打ち合わせだ。お父さんも一緒と言うところが面倒臭い、だるい。あいつは私のことが嫌いだからな。お互い様だけど。
リビングにいると、そこには誰もいなかった。みんな学校やバイトにでも出払っているのだろう。私にはそっちの方が都合がいいけれど。顔を洗って歯を磨き、身支度。朝ごはんは食べないから、私の朝のルーティーンは終了だ。そこから学校の手続きに必要な荷物を用意する。お父さんが来るまでには用意をして、できるだけ会話せずに学校まで行く。これが今日の目標だ。
そう考えている間に玄関の方で音がした。出発のファンファーレだ。この場合、そうとは言わないのかも。
なんにせよ、自分の居場所がどんなふうなのか楽しみだ。