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⚠嘔吐 自傷 表現
⚠依存
⚠メンヘラ
mtp
「お”ぇッ…、げほっ”ぇ”ほごほ”ぉ”っ、!」
やってしまった。
Overdose。
現在若者の間で流行している、処方薬や市販薬などを規定量以上摂取する危険行為。
嘔吐や目眩などの危険な副作用が伴う反面多幸感や脱力感を感じることができ、本来の目的ではない使用方法をする若者が急増して現代の社会問題となっている。
俺、大森元貴も典型的な現代社会が生み出したカスの一部である。
“ごめん”
“これる?”
吐き出した後で意識もままならないまま俺は若井にメッセージを送る。
“どうした”
“今行くね”
すぐに既読が付き、返信が帰ってくる。
安心感と疲労で意識がとびそうだ。
数分もすれば、家のインターホンがなる。
出たいのに、どうしても体を動かせなくて
喉も乾ききって、声が出せない。
なにか察したのか、若井は慌てて玄関のドアを開けてリビングに飛び込んできた。
「元貴、!?」
トイレにすら行けなくて、リビングで吐いてしまった俺を見て若井は見たこともないような驚きと焦りを浮かべた表情をする。
(……ぁあ)
「っ、!」
若井はすぐさま俺を強く抱きしめた。
暖かくて、包容力のある体。
「もときぃ…っ、ごめん…気づけなかった…っ」
「おれ、ッ辛いの全然わかんなくて…」
「彼氏っなのに、…まじでごめん……っ、」
「…ありがと……っ、」
「辛い思いさせないように頑張るからっ…、」
「…またすぐ、っ相談して」
「……うん笑」
俺が辛い時、いつも若井が駆けつけてくれて
すぐに抱きしめてくれる。
そして「ごめん」って謝ってくる
このときが
最高に気持ちいい。
「これる?」って送ればすぐに飛んできてボロボロに泣きながら抱きしめてくる。
(若井には俺がいなきゃダメだもんね)
若井には今、家族も 親戚も 友達もいない。
恋人の俺しか残ってないんだよ。
まともな生活力も備わってない若井には俺が必要不可欠。俺がいないと生きていけない。
だから、俺のことをいっちばん大切に思ってる。だからこそ俺が風邪ひいたりとか、怪我したりとかしたらすぐに駆けつけてくれる。
俺はそこを利用した。
時には包丁で切ってみたり、時には飛ぼうとしてみたり。今日はネットで見かけたODもやってみた。
若井はちゃんとしてほしいように動いてくれる。
「今日は疲れてるだろうし…寝よ、?」
「もちろん一緒に!」
「うん…」
今日もこれで俺の思い通り。
ふと目を開けて、隣に眠る若井を見ると、うっすらと涙を流していた。
きっと「生きててよかった」と安心してくれてる。
俺のことを思って涙を流してくれてる。
(幸せ…♡)
また次もよろしくね、
俺の
「スーパーダーリン。♡」