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()心情「」セリフ
🍵side
👑「おわぁぁ…」✨
🍵「…w」
オレンジ色の瞳を光の反射したガラスのように輝かせている彼の横で少し微笑んでしまう俺。
今日は、らんらんがくれたチケットで船に乗っています。
👑「すちくん見てっ!」✨
🍵「あ、ウミネコだね~」笑
そんなたわいない会話をしているとアナウンスが鳴った。
ア「霧が濃くなってきたので屋外にいる方は室内への移動をお願いします。」
🍵「戻ろっか~」
👑「せやねっ!」
俺達は部屋に戻ることにした。
ここから悪夢が始まることを知らずに。
🍵「霧、結構濃くなってきたねぇ…」
👑「心配やなぁ…」
部屋に戻ってはきたものの、霧がどんどん濃くなっていって2人で心配していた。
すると、アナウンスがまた流れだした。
ア「今すぐに耳を塞いでください!手でも何でもいいです!!」
🍵/👑「?!」
🍵「みことちゃん!」バッ
👑「う、うん!」バッ
アナウンスから耳を塞ぐようにと言われて、困惑しながらも耳を塞いだ。
🍵(何だろ…)
🍵「みことちゃ…」
👑「…」
🍵「みこと、ちゃんッ?」
そこには顔を真っ青にしたみことちゃんがいた。
🍵「どうしたの?」
👑「ッ…」
声をかけても息を詰まらせる音だけが聞こえる。
そう思ったときだった。
🍵「みことちゃん?」トントンッ
👑「ッあ…」ガクッ
🍵「みことちゃんッ?!」
急にみことちゃんが倒れたのだ。何があったのかも分からずにいたけど勢いでみことちゃんを受け止めていた。
🍵「みことちゃん!みことちゃん!!」ユサユサ
👑「…」
目にはさっきの様な光がなかった。ただクレヨンで塗りつぶしたようなオレンジの瞳がうっすらと開いている。
🍵「みことちゃッ」
ガチャ🚪
📢「すちッ!」
🍵「いるまちゃんッ!」
📢「2人共無事かッ?!」
🍵「みことちゃんがッ…」
📢「ッ…」
いるまちゃんは切羽詰まった顔をして俺に言った。
📢「もうみことは」
📢**「死んだんだ。」**
🍵「ッえ…?」
その言葉に耳を疑った。
🍵(みことちゃんが、、死んだッ?)
信じられなかった。さっきまでにこにこ笑っていたみことちゃんが今死んだなんて。
📢「他の部屋でも死人が出たらしい。」
📢「それも、耳を塞いでなかった人だと。」
🍵「でもみことちゃんはちゃんと塞いでた!」
🍵「ちゃんと俺が見てた!」
📢「多分、ちゃんと耳を塞げてなかったんだ。」
🍵「そんなッ…」
正直、何も考えたくなかった。
みことちゃんが死んでしまったなんて、考えたくなかったから。
📢「とりあえず、他の所も回ってくる。」
🍵「…」コクッ
ガチャ🚪
🍵「…みことちゃん、」ギュッ
👑「…」
🍵「俺ね、この船乗り終わったらみことちゃんにプロポーズしようとしてたんだよ?」
🍵「なのにさ、何で置いてくのッ?」ポロッ
🍵「俺、寂しいよ?」ポロポロ
👑「…」
🍵「帰ってきてよッ」ポロポロギューッ
もう帰って来ない事はわかってる。でも、帰ってきて欲しい気持ちが勝ってしまう。
🍵「みことちゃん、大好きだよ。」ポロポロ
👑「…」
今回での死者はみことちゃんを含め10人だった。その死体は海に沈めるんだと。
🍵(何でこんな惨い事をッ…)
🦈「すっちー、」
🍵「こさめちゃん…」
🦈「みことくんの事で、」
🍵「…」コクッ
🦈「やっぱり、辛いよね…」
🦈「プロポーズの前に死んじゃうなんてさ、」
🍵「…うんッ」
🦈「こさめもさ、前に好きだった人が目の前で死んじゃったんだ。」
🍵「…!」
🦈「車を運転してた人がよそ見してたらしくてね」
🦈「もう、帰って来ないけど帰ってきて欲しいって思った。」
🍵「…うん」
🦈「すっちーも、そういう気持ちだったんじゃないかなって、!」
🍵「…そう、だね」
🦈「…こさめはさ、すっちーがみことくんの分も生きて欲しいって思ってる。」
🦈「みことくんがそう願ってるはずだから。」
🦈「だから、最後まで笑顔で見送ろ?」ニコッ
🍵「…うん」ニコッ
笑えてたか分からないけど、こさめちゃんの笑顔に少しだけ元気をもらった気がした。
こさめちゃんと話していたら、みことちゃんの番になっていた。
MOB「最後に何か話してあげてください。」
🍵「…みことちゃん、大好き。」ニコッ
それ以外の言葉は頭に入ってこなかった。
ただ、これを君に伝えたかったから。
MOB「それでは。」
🍵「…」
…指輪、渡せなかったな。まだ買えてないよッ
👑「…”あ”り”が”と”う”」口パク
🍵「…!」
ドボッ…
🍵(今ッ…)
今、確かに見た。みことちゃんが口パクで「ありがとう」と言って微笑んだところを。
🍵「ッ…みことちゃんッ!!!」タッタッタッ…
🦈「ちょっ!すっちー!!」
📢「すちッ?!!」
ドボッ…
👑side
あ~あ、ここで俺の人生終わりかぁ…
最後まで、すちくんといたかったなぁッ…
👑(…もう、会えへんよね。)
ドボッ…
👑(…?!)
🍵「…」
👑(何ですちくんがッ)
🍵「…!」ギュッ
🍵「…」スッ
👑(何か背中に書いてる…?)
“ずっとはなれないよ”
👑(…!)
何ですちくんはこんなにも優しいんやろッ…
でも、俺はすちくんのこんな事に惚れたんやろ~な
👑「…」キュッ
身体が動かなくなっても、すちくんの温もりを感じたくてたまらない。その気持ちが自分の身体を少しだけ動かしてくれた。
🍵「…」ギュッ
👑「…」ポロッ
誰にも見えることがないのに涙を流した。
🍵side
もう意識が保てなさそうだなぁ~笑
最後まで、みことちゃんに寄り添えてよかった。
来世でも、みことちゃんの隣で笑えますように。
👑「…」
目を瞑って動かなくなってしまったみことちゃんは、人形のように冷たかった。
🍵(今、そっちに行くからね。)
そう言って、目を瞑った。
覚めることのない夢を見るために。
𝑭𝒊𝒏.
🌱「これ僕の夢の内容×妄想で作ったやつね」