今日は朝からすごく具合が悪かった
頭も痛いしなんか貧血?っぽいし、吐き気がする
『なんだろう?風邪でも引いてるのかな?』
なんて思いながら、仕事終わりに病院でも行こうと俺は思った。
***
仕事が終わり、俺は病院へ向かった
相変わらずしんどかったが、あまり気にすることなく過ごした。
「症状は、吐き気、頭痛、体の倦怠感
ですね。えーと、落ち着いて聞いて下さい。」
そんなん言われたら身構えてまうやん。
なんだろ、病気とかやだな。彼に会えなくなる…
「君は妊娠しています」
ニンシンシテイマス、頭で音を受け取って、遅れて意味がついてきた。妊娠?俺が?ってことは、彼との?
「出産はご希望ですか?」
「えっ、あぁまだ決めてなくて…」
産めるなら産みたい。新しい命。彼との愛の結晶
でも、彼は喜ぶかな?嫌かもしれない、
どうしよう……どうしよう……どうしよう……
「それではまた何かあったらご連絡ください」
「あ、はい」
帰り道、俺は嬉しいような、悲しいような、不思議な気持ちだった。
****
「どーしよ…夏向、俺どうしたら…」
俺は今、とても仲の良い友達にすべてを話し、相談していた。
「どうって、そりゃ一のやりたいようにすりゃい いんじゃない?」
「でもさぁ~…」
「不安なのもわかるって!初めてだもんな一も、でも 言ったらいいやん陽汰にさ?」
陽汰というのは俺の恋人。すごく優しくて明るくて太陽みたいで……いやいや、惚け取る場合やない
多分(というか絶対)この新しい命は彼との行為中に誕生したものだろう。彼に報告したらどうなるのだろう?嫌われる?驚かれる?もしくは
喜んでくれる?
どうしたって俺は自分から行動できない臆病者だもんな、彼なら受け入れてくれる?どうだろう?
「なんかさぁ?一も不安で陽汰に言うの怖いかも知んないけどさ、陽汰、一のことめちゃ好きやで?一も陽汰のとこ好きやろ?やったらお互いもっと信じあっていいと思うな。
少なくとも俺は」
「っ…」
確かに、俺は陽汰のことすごく好きだし、愛されてるのもすごくわかる。でもな〜やっぱ怖いし…
「それでもやっぱ怖いんよ」
「いやわかるわかる、でも、育てたいんやろ?」
「うん…」
「やったらそれがもう答えやん。一は今から、
んまぁ今からやなくてもいいけど、一回ちゃんと陽汰と話し合え。それでしっかり自分の気持ちを伝える。これが大事。相手のことを思いすぎてもなんにも進まんで?」
え、夏向めちゃいいこと言うやん…そっか、今度陽汰んちいくしそん時に…
今更だが俺達は愛知と、岩手にすんでいて、中々会うことができない。
「よし、じゃあ次会うときにちゃんと話してくる
報告待っててね、今日はありがとう。スッキリしたわ」
「良かった良かった、んじゃ、頑張れ!」
そして俺は今日の相談を終了した
*****
そしてついに、陽汰の家へ行く日に。
新幹線に乗りながら頭の中で整理する。
(よし、これで大丈夫…)
俺は少し不安をかかえたまま陽汰の家へと向かった。
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