テラーノベル
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【注意】
・リクエスト作品です
・目隠し?に近い描写があります
・別に愛し合ってないです(無理矢理でもない)
・多分フリンはバソのこと好きなのかな…?みたいな匂わせ描写があります、本編にはあまり関わらないです
・いつにも増して短いです、すみません…
・いつものように濁点喘ぎ含まれます
深く憶えるようなものではない。
然し、同色の液体に惑わされてしまった自分の問題だ。
外科医は頭を抱え、呼吸を続ける。
荒く艶を帯びたその息は、何であろうと欲を乱すような、そんな声。
自身で肩を支えて俯く。
寂しさも虚しさも今は影だけ。
「……はぁ…。」
溜息は最早誰にも届くはずがない。
まず電気を消して識別するべきだったな。
言葉は内にしまい、脚の間で起立を始めたそこを眺める。
こんな事になるなら最初からあんなもの作らなければ…。
そういった事ばかりしか渦巻かない頭に、カードのスキャン音が響く。
姿を屈めたその橙色の一つ目は、どうやら外科医には見向きもしていないようだった。
「あのパーティーハット頭を知らないか」
「……しらない。すくなくとも、ここにはいない」
「…?妙に息が荒い。何かおかしいと思わないか。」
「放って置いてくれ、お前の目当てはケース6だろ」
「目当てではない。ただ文句を付けに行くだけだ」
「目当てだろ…、はぁ…。」
同じ多腕の者としては外科医の方が先に作られていた。然し、それは決して兄弟や上下関係、まして親子なんかでもない。
たまたま同じ趣旨で生まれただけだ。その程度、正直言ってしまえば誰も気にしない。
フリンが何かしでかそうと手を伸ばしても、外科医が抗うだけの力はある。
掴むことの出来ない左上の腕で軽く払うと、フリンは少し目を顰める。
「探しに行けばいいだろう、私の事なんか構わずに」
「お前も探すのを手伝ってくれないか」
「はぁ?無理に決まっているだろ…。第1この状態じゃ立ち上がるのも無理だ」
「だからこうだと」
再び腕が伸ばされる。どういう意味かは多方理解できたものの、それはそれとして外科医としては不快だ。
「…落ち着けば直ぐに辞めろよ…」
「分かっている、一々言う必要は無い」
押し付けて止めていた右上の手を下ろし、困ったとでも言うような顔で屈み込んだ脚の間の其れを見せる。
「本当にそれだけだろうな。再利用だってできるんだぞ」
「別にお前に興味がある訳では無い。当たり前だ。」
「ふぅ……っ。」
外科医は力を抜く。とはいっても震えて完全に抜くことはできない。これが終わるのを、唯待つ迄だ。
「……。」
外科医の下肢まで伸ばされる手は少し湿っている。無論、海月にしては乾いている。
冷たさに外科医は身を捩るが、他のマスコットよりも人間のような形をした瞳に睨まれると、性質がわかっているにも関わらず臆する。
「目を瞑ればいい…。眠ればすぐ終わると思わないか?」
「…ふ……寝れる訳…ないだろ。それとも気でもあるのか。ふざけているのか…。」
「ふざけてなんかいない」
身体中を内側から這うような痛みと悦に、外科医は身を捩る。目の前を塞ぐ湿り気で自分が溶けてしまいそうで後退れば、這い寄る苦しみに似た何かが更に迫るだけだ。
「…クソ、面白くはない」
「俺もそう思う。面白味を感じてやることではない」
「ぁ゛…ッ」
「……。」
掴む腕が動かず、机の端を抑え、快に堪える。
風が外で響けども、この場は水音以外に何も不要で、それに対するように二人の間は渇きで満ち溢れていた。
「ッ…ハ…ぁ゛あ…、クソ…っ゛」
「すぐに樂になれる
それともなりたくないのか」
「…楽…に゛、して…くれ゛…。」
その一言で、動きが強く早く変わる。
何かを掴もうと廻る外科医左下の腕が、熱を求めるようにフリンに触れて、そのまま空いた腕を掴み込んだ。
「く゛ぁ゛っ、う゛ぅぅっ…」
「…………。」
ひとつ、ふたつ、みっつ。外科医が頭の中で数える度に頭が冷えて、今はこんな事をしている場合じゃないと、まだ白い光が瞬く頭と覚束無い子鹿のような脚が思い出す。
「おわっ…た、か…」
「それはお前の方がよくわかっているんじゃあないのか。」
「終わった…終わった。」
これ限りの事であり、恥じる事でも何物でもない。明日になったら、先輩でも家族でも何の関係もないただのマスコット達に戻っていく。
「俺の目的は終わっていない」
「ああ゛…ケース6の事だったな…」
「行くぞ」
「…は?自分で歩くことくらい出来る!おい!聞いているのか!?市長命令だぞ!?聞け!」
さも当然かのようにフリンは小脇に外科医を抱え、抵抗を見せる外科医を無視して、フリンは外科医をドアや壁にぶつけながらその場を去った。
【あとがき】
はい、もつ煮です。
今気付きましたがルビ追加されてる!!ありがたい!!!と思ったんですが、ちょっと使いづらそう…?
最近、蜂窩織炎(ほうかしきえん)というものになってしまっていて、この執筆時完治してないです。
運悪く歯の方から菌が入って顔が腫れてしまい、右目が開かなくなったり(執筆時はほぼ開いてます)してました。詳しい説明は省きますので、興味があれば調べてみて頂ければと思います。
作品についてはフリンとジョンって多腕仲間としてもしかしたら先輩後輩の関係なのかもしれない!と思いつつ、お互い不躾なタイプなので多分尊敬とかはしてないだろうな…と思いながら書いてました。
これから先体調不良とリクエスト消化の事で少し執筆・投稿ペース落ちると思いますが、ご了承ください。本編短いのにあとがき長くなって申し訳ございません、見て下さりありがとうございました。
コメント
2件
朝に通知来て学校帰ったら見よ!♡って思って、今帰宅して読んだんすけどマジでもう……好きです…フリンちゃん先生優しく扱ってあげて…wもつ煮さんの書く小説でもう今日の嫌なこと吹き飛びました😊ありがとうございます
ありがとうございます!!!朝から元気が出ました!