僕は生まれてからずっと病院にいる。
隣の子はどんどん居なくなっちゃう。
その子達がどうして僕を置いていっちゃうのか分かんなかった。
でもね、もう分かるよ。
寂しくなんてない。
もういいんだ。
でもね。もうどうでもよかった人生を色付けたのは、大森元貴だった。
君は、どこが悪くて病院にいるの…、?
そういう質問に元貴はなんにも答えない。
怖いでしょ。友達が居なくなるのは。
でも、なんで君の目は、そんなに輝いているの…、?
元貴の横なら、なんだって大丈夫な気がするんだ。
「元貴ー!見て!桜っ!咲いてる!」
「ほんとだ!綺麗だね!」
そういう君は、桜に負けない。
いや、むしろ、桜以上に綺麗だった。
次の桜を見る前までは…、
バタッ
「滉斗!起きて!」
「ん?ここどこ…、?」
「突然ごめんね。」
「僕の心臓、君にあげるよ。」
「なに言ってるの…、、?」
「だって君はまだまだ生きるでしょ…?」
「なんでっ、!!元貴は…、?」
「僕ね、心臓以外ぜーんぶ
悪いとこだらけなんだ。」
「だからっ!心臓だけは、滉斗にあげるっ!」
「なにそれ…。意味わかんないっ、、」グスッ
「ほら、起きて…。」グスッ
「朝だよ。」
「嫌だっ、!!ずっとここにいるっ、。」ウゥッ
「ダメだよ。早く行きな…、」ッ
「ダメ…、。行かないッ!」ポロポロ
「ごめんね…、また寂しくなっちゃうよね。」
「滉斗ありがとう。ごめんね。」
「愛してる。」ニコッ
パチッ
「滉斗…、、?滉斗!」
「ん…、?涼ちゃん…?」
「元貴は…、、?」
「元貴…、?あぁ…、横にいた友達だよね?」
「うん、。」
「元貴くんか…、。」
その時、一瞬涼ちゃんが暗くて、悲しい顔をしたのがわかった。
「ねぇ…、まさか、死んでないよね…、?」
「だって…、ウゥッ、一緒に…、ッ!」
「また桜も見ようって、。言ったじゃん…。」グスッ
「ううん。滉斗…、?」
「これを読むまでは、
そんなこと言っちゃいけない。」
「手紙…、?」
「うん。読んでごらん。」
パラッ
Dear Hiroto
まず、僕が君にしなきゃなのは、ごめんなさいだね…。ごめん。
でもね、聞いて欲しいことがあるんだ。
あの木ね、桜咲いてたんだよ。まだ、ちっちゃかったけど、見れたんだよ。
君は、心臓が悪かったんだよね。知ってる。
だからね、僕の心臓、君にあげたんだ!
ほら、左胸の鼓動を感じて…、?
僕はまだ、死んでない。
君の、いや僕の左胸の鼓動が止まるまで、生き続けるよ。
その鼓動が、君と僕の生きた証だ。
ほら、下を向かずに前を向いて?立ち止まらずに、進め!
僕の心臓と一緒に歩けば、どんなことだって怖くないから。
僕の心臓と、ううん、僕と一緒にまた桜見に行こうね。
来年も、再来年もずぅーと一緒だよ。
愛してる。滉斗。
永遠に僕らはBFFだ。
じゃあそろそろ僕は心臓に帰らなきゃっ!
またね!
おやすみ。
Motoki
ハハッ、幼稚園児に向けた手紙かよ…笑
ポロポロ…「ごめん、、ごめんね。」
「見に行こ…、。見に行こうね。」ウゥッポロポロ
前を向いて…、一緒に生きよう。
元貴。
愛してる。
BFF。そう言ってくれてありがとう。
外に出れなくても、、。
窓から見る桜も、綺麗だよ。
君と同じくらい。
そう言って僕は胸を撫で下ろした。
それとき、微かに、ううん、
確かに左胸の鼓動を感じた。
初の読み切りですね。
ちょっとね、書いてただけなんですけど、
すっごい悲しくなってきちゃって、連載ではなく、読み切りという形になりましたっ!
すません。
感想など、お待ちしてます。
♡とコメントお願いします。
それではまた
コメント
9件
「左胸の鼓動を感じて」っていう歌詞を物語に置き換えられるのすごすぎる…