あの後、大蛇族に関する資料を探すために図書館に来たけど……
「何この広さ…本当に学校の規模?」
上から下までぎっしりと棚に本が詰まっている。こんなの1冊1冊調べていたら何時間もかかる。
「司書の方に聞いてみましょう。」
「すみません…大蛇族に関する資料を探しているのですが、どこにありますか…?」
「え…申し訳ありませんが、そのような本はこちらには置いておりません。」
今、一瞬だけど…司書さんの顔つきが変わったように見えた。もしかして何かを知っている…?
「そうですか…ありがとうございます。」
「何か、あったんですよね…?大蛇族に関することが…。」
「奏、いきなりそんなこと聞いたら失礼…。」
聖が僕の口を手で塞ごうとするが、その手を遮り話し続ける。
「何があったんですか?」
「……。」
「何かあったんだったら言ってください。1人の女の子の命が懸かっているんです。」
「好美さん、受付交代してくれる?」
「わかりました。」
「皆さん、こちらの部屋へどうぞ。」
奥の事務室へと連れていかれる。司書さんが扉を開けると、中には黒い箱がたくさん積まれていた。
「ここの箱に入っているものがすべて大蛇族に関する資料です。この部屋で隔離していたんです。」
「隔離…ですか?なぜ…?」
「実は……過去にこれらの資料を読んだ人たちが、行方不明になっているんです。」
「行方不明…?」
「今でも行方が分からず呪いの書だと噂されています。」
「しばらくこの部屋で資料を拝見してもよろしいですか?」
「はい…構いません。帰る際にお声掛けいただければ問題ありません。」
「ありがとうございます。」
司書さんが部屋から出ていき僕たちの捜査が始まる。
大蛇族の歴史、種族、下層吸血鬼とのつながり…本の端から端まで余すことなく読む。でも、どの本からも所在や現在のことについては見つからなかった。
「ほとんどアタシが知っている情報と同じよ。新しい情報と言えば、世界中に下層吸血鬼が存在することくらい。」
さすがの泰揮もお手上げ状態。僕が見ている本もほとんど泰揮から聞いた情報と変わらない。
「あ!」
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