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目を閉じたとき、
それは「休憩」だと思った。
(……少しだけ、眠ろう)
体が重い。
でも、いつも通りだった。
囲まれて、守られて、逃げ場がなくて。
だからきっと、目を閉じればまた――
同じ朝が来るはずだった。
(……起きたら……ちゃんと……)
そこまで考えて、
思考が、ぷつりと切れた。
朝。
水:……桃くん?
水の声。
すぐ近く。
水:起きて、朝だよー!
肩が揺れる。
反応は、ない。
赤:……寝てるだけだよな?
赤が笑おうとする。
赤:昨日、疲れてたし
緑:でもッ
緑の声が震える。
緑:呼吸、浅くないッ?
紫は何も言わなかった。
ただ、桃の手を取る。
冷たいわけじゃない。
でも、温かくもない。
紫:……桃
返事はなかった。
時間が、過ぎていく。
何度も名前を呼んだ。
何度も肩を揺らした。
何度も「冗談だろ」と言った。
でも、
桃は一度も目を開けなかった。
黄:……ねえッ
黄が泣きながら言う。
黄:いつまで寝てるのッ?
答えはない。
(……ああ)
どこか、深いところで、
桃の“声”が、最後に浮かぶ。
(……静かだ……)
痛みも、苦しさもない。
責任も、期待も、視線もない。
(……やっと……)
誰かに呼ばれている気がする。
でも、もう振り向く必要がない。
(……ごめんな……)
守れなかった。
逃げられなかった。
でも、もう――
考えなくていい。
(……俺……疲れてたんだな……)
それが、
最後の、桃の声だった。
赤:……嘘だろ?泣
赤が、床に座り込む。
「起きろよ」
「なあ、桃」
「リーダーだろ」
「置いてくなよ」
叫んでも、
怒鳴っても、
泣いても。
中心は、戻らなかった。
緑:……俺たちが……
緑は声を失う。
緑:……全部……
水:違うっ!
水は首を振り続ける。
水:桃くんが勝手に……
紫:違う!
紫が初めて声を荒げた。
紫:……俺たちだ
守るふりをして
縛った
愛していると言いながら
逃げ道を塞いだ
理解した瞬間には、
もう遅かった。
部屋は、そのままだった。
桃が座っていた場所。
桃が触れたカップ。
桃の声があったはずの空間。
黄:……ねぇ
黄が小さく言う。
黄:もう……中心、いなくなっちゃったね
誰も答えなかった。
桃は、起きなかった。
二度と、笑わなかった。
二度と、声を出さなかった。
二度と、彼らの世界の中心にはならなかった。
それでも彼らは、
空いた場所を囲むように座り続けた。
まるで、
そこにまだ桃がいるかのように。
はいっ! お久しぶりです。🙇♀️ ̖́-
こっち、ほとんど動いてなくて、すいませんでしたㅠㅠ
あと少しで完結の予定なので、最後まで見待っていただければ幸いですっ!
Next…♡600
紫達のその後、、?