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((放課後。人気のない教室に残っているのは、ひとりの先生と、ひとりの生徒だけだった))
🦊「先生って、鈍いですよね」
((不意に背後からそんな声が聞こえた))
🐺「え? あ、イエン。まだ帰ってなかったのか」
((教科書をまとめていた🐺バンチャンは、振り返って笑う。けれどその笑顔には、何の警戒心もない))
🦊「……ほんと、危機感なさすぎです。僕みたいな“ちょっと変な生徒”と、こんな遅くまで二人きりで」
🐺「はは、それは……イエンが変っていうより、ちょっと不思議ちゃんなだけじゃないか?」
🦊「……それを、先生は“鈍感”って言うんですよ」
((🦊アイエンは机にもたれ、じっと🐺バンチャンを見つめる))
🦊「僕、先生のこと好きですよ」
🐺「……へ?」
((不意打ちのような言葉に、🐺バンチャンは一瞬固まる))
🦊「ほら、鈍感。こんなにわかりやすくアピールしてるのに、全然気づいてくれないから。先生をからかうの、やめられなくなるんです」
🐺「……イエン、からかってるんだよな? 先生と生徒って関係、わかってるだろ?」
🦊「もちろん、わかってます。でも——」
((🦊アイエンは静かに近づくと、🐺バンチャンのネクタイを軽く引っ張った))
🦊「わかってても、止まらないことってあるじゃないですか。先生も、そろそろ気づいてください。僕、本気なんです」
((その距離は、もう息がかかるほど))
((けれど🐺バンチャンは、一歩も動けなかった))
——この生徒の真意を、知ってしまったら。
——もう、教師としての“線”を守れる自信がなかった。