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ここは天国か地獄か。俺はさっき死んだ。
もちろんトラックに轢かれて。痛い感覚だってあったはず。なのに、なのに…
「何で俺は死んで無いの?!」
不思議なくらい傷が無いし、ここ俺の部屋のベッドだし、何なら寝てたんですけど??
まさかあれって夢?いや、絶対違う。
体温だってあったんだ。痛いって感じたし。あんなリアルに死ねるわけ無い。
じゃあ…何だって言うんだよお…!!
「もう!うるさいよお兄ちゃん!!早く起きないとダメなのに!高校初日なのに遅刻とかヤバイって」
ガチャっとドアが開いたと思ったら、もう会う事はないと思った愛おしい妹
皐月(さつき)が居た。
「皐月いいい!!!」
思わず抱きしめてしまった。その途端あったかい体温と共に涙が出てきた。
「ど、どどどどっ、どうしたの、?!お兄ちゃんっ。嫌な夢でも見た?」
「…いや。なっ何でもないっ、ヒック」
一旦離れてもう一度皐月の顔を見た。うん。これはきっと走馬灯だ。神様がもう一度皐月に会わせてくれたんだ。
ありがとう。でもちょっとだけ待っていて下さい。そして推し様にも会わせて下さい!!
そう興奮気味に側に置いてあったスマホを開くと目を見開いてしまった。
「な…無い…!」
「こ、今度は何?」
「俺の推しが詰まったゲームが…」
どこの画面にもある気配がない。
だってホーム画面を開いてすぐ有るのが当たり前だから。
「何とぼけてるの?お兄ちゃんが好きなアイドルはテレビに居るでしょー?昨日も騒いでたじゃん」
呆れたように言う妹。早速テレビをつけると、ニュースの特番でやっていたのは、俺の推し。『North(ノース)』
はわわっ。大画面での推し。尊すぎる!
じゃなくて!
「何で?現実には居ないはずじゃ…。ど、どう言う事?
…ってあああ?!さ、皐月っ!て、手に火がああ!!!」
「ちょっと!ホントどうしたの?お兄ちゃん。変だよ?”いつものこと”じゃん」
「…え?」
いつものこと?じゃあもしかして俺
ま、まさか…?
推しが居るゲームの世界に転生した??!!