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**この夏は一度きり(死後の世界if)**⚠️注意⚠️
このお話には、死ネタが含まれています
苦手な方はUターンを
『この夏は一度きり』という朗読劇の二次創作です
次の文から本文が始まります
目の前には、花畑が広がっていた
俺は、すぐに死後の世界だと気がついた
死後の世界は、こんなにも美しいのだなと呑気に考えていた
暫く歩いていると
目の前に、白く美しい髪を揺らし
シロツメクサを使い、花冠を作っている人を発見した
彼女が振り向き、微笑みかけてきたその時に
俺は確信した
見間違えるはずもない
彼女の微笑むその顔、風に揺れなびく真っ白な髪
彼女は、他の誰でもない
蛍だ
「せんぱーい!」
蛍の落ち着いて、どこか儚いその声も
あの時と変わらない
俺の
初恋のヒト
いつの間にか、俺は走っていた
彼女の元へ
蛍の元へ着くとすぐさま俺は彼女に抱きついていた
わんわん泣いた
蛍は、そんな俺を見て
「先輩が来るのを…ずぅっと待ってましたよ」
そう、今にも泣きそうな声で言ってくれた
俺は
「蛍…蛍…!」
と、彼女の名前を連呼していた
彼女もまた、俺の名前を呼んでくれていた
ーー暫くして俺と蛍は
この花畑を歩いていた
辺りには、ヘリクサムやゴジアオイ、バーデンベルギアが咲いている
「先輩」と微笑みながら言う彼女は
「このまままっすぐ行くと、ミント畑があるんですよ」
「へぇ、それはいいな」
蛍は、少し間を空けて
「先輩…あの後、自分を「どうせ」と言って」
「最初っから諦めましたか」
俺は、少し間を空け答えた
「いいや…蛍の言う通り自分を「どうせ」って」
「最初っから諦めていたりはしなかったよ」
蛍は、少しびっくりしたような顔をした
けど、すぐにいつもの儚くて、素敵な笑顔に戻り
「良かったぁ…」
「私、その事ばかり考えていたんですよ」
俺は、蛍がここに来ても
俺のことを一番に考えていたことが、うれしかった
いつの間にか、目から涙が出ていた
「先輩!?泣かないでください!」
蛍の心配するその声も
俺は安心していた
俺の涙が止まった頃
彼女が口を開き
「先輩、私」
「嬉しいんです」
「先輩とまた、出会えて」
「俺も…蛍と出会えて良かった」
「今までずっと1人だったんだろ」
「寂しい思いをさせてしまって、ごめんな」
俺がそう謝ると蛍は
「そんな!」
「先輩と会えたら、こんな話をしようとか」
「この花畑の、どこに向かって歩いたら」
「先輩と見たい、素敵な景色が広がっているんだろうって」
「ずっとずっと」
「考えていたんです」
「…でも」
蛍は、今にも泣き出しそうな顔で
「先輩の事を考えた後に…こんなひとりぼっちの世界で」
「寂しい…そう思ってしまったんです」
「…なーんて冗談ですよ」
蛍は、無理に口角を上げて微笑んでるように見えた
俺は彼女を抱き寄せて
「寂しいなんて…こんな広く、どこまでも続いていそうな場所でずっとずっと1人だったんだろ!」
「寂しいと思ってしまっても良い!」
「俺だって、こんな場所でひとりぼっちは寂しい!」
蛍は、俺の胸で泣きながら
「先輩…ずっと寂しかった!」
「先輩が、ここに来なかったらって」
「ずっとずっと、不安だった!」
「先輩が…ここに来てくれてどれだけ安心したか」
「ほんとうに…よかった…」
ーーこの後
俺と蛍は
今までお互いに話したかった話をして
この世界で
行きたい場所に行って
その後は…
お互いに目を閉じ
「「次は、お互い人間で会おう」」
そう、誓った