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なんだろう、頬が冷たい。ザラザラしてて、ヌメっとしてるものがずっと当たる。「あ、やっと起きた。」
目が覚めるとそこは、黄昏時の空に大きな松や白樺、樫のある森だった。
「晴夏?お前こんなとこで何やってんだ?」
「いやーそれがさぁ、星菜刺されたじゃんかぁ。その後私もね、グサッと心臓一突きなんだよねぇ。」
「こえー、そういやさっき俺の頬を舐めてたの誰?」
「そこの犬と狐を足したみたいなやつ。」
そう言いながら、右の方を指差した。差された方向を見ると、犬の頭に狐の耳、犬の体と狐の尻尾。目つきは悪いけど、すごく可愛げのある生き物だった。
「クワァーン。」
その生き物が鳴くと、奥の方に走っていった。
「付いて来いってことなんだろうかね?追いかけよ。」
「ああ、そうだな」
生き物が走っていった方向に俺達も走っていった。しばらく走るとそこには、3階建のログハウスがあった。
「家みたいだな、入ってみるか。」
ドアノブを取り、開けると中は暗く真ん中にフワフワの雲に座る女性がいた。その女性は、火のように鮮やかな髪、水のような半透明の目をして、金色の天使の輪が頭にあった。
「おや、お客だ。久しぶりだねぇ、ここに死者の魂が来るのは。」
「あなたは、誰ですか?なぜ、このような寂しげな家に住んでるのですか?」
「結構痛いとこに質問するね。私は魂を導く女神ヒルデ。ここに住む理由は、貧乏だから。」
「俺達をここに呼んだ理由は?」
「私の夫を助けて欲しくてね。魔界の魔王の一人ヘルニアに誘拐
されてね。」
「へぇ。でもそれは私達じゃなくても良いのでは?」
「そう考えるのも良いのだけど、ここに呼ばれるのは大体、 生前に強い未練を残してる人間が呼ばれるからね。君たちの未練は結婚すること。私のお願いを聞いてくれたら、君たちを同じ世界に転生させる。」
めんどくさい。
「早く転生させてくれないのですか?」
「早く転生したいなら、私のお願いを聞くことしか無いねぇ。」
この女神性格悪いな。
「星菜、これはいいんじゃない?だって、まだ一緒にいられるんだよ?」
やばい、晴夏の目にハートが映ってる。
「確かに、それは良い考えだ。よし!俺たちがその願い解決してやろう!」