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頭の中に聞こえる声。怪異に襲われそうになり、死を覚悟していた私は、助けてほしい、と問う声に頷いた。


私の横に、もう一人の私が現れた。

これは?夢?


もう一人は、怪異を惹きつける。そのうち、私は慌てて逃げた。


なんだったんだ、今の。


頬をつねる。


わからない。今のは、私?



「まあ、合格でいいかな。」


一つ結びの黒髪の男の人。手を叩きながら、私に微笑みかける。


「僕は好きだな、君の技。なんなの?もう一人が、わけわからないところから出てきたけど。」


「誰ですか!?」


「警戒しないでよ。僕は波多野。波多野落斗です。

この怪異討伐部隊の隊長だよ。」


クスリと笑う波多野に頭を下げる。


「折角だし、兄さんの戦闘でも、見る?」


「…メシアが?どうして怪異討伐部隊《ここ》に…」


私は、なんだか不思議な気持ちになった。

…私たちから両親を奪った存在に…



「なあ、お前は、特殊能力を持っているか?」


メシアは、目の前の銀に声を掛ける。


「いきなり話しかけてくるな!この!この!」


銀はなんどもメシアを殴るが、メシアは飄々としている。


「そんな事言うけどさー。おかしいのはあんただろ。突然気絶しやがって。」


「俺の家を住処とか言うからだろ!?」


「てか、質問に答えられない?蹴られたいの?」


銀は、彼に蹴っ飛ばされた痛みを思い出し、あわてて作り笑顔をした。


「能力?」


「使えねー…」


いきなりわけのわからない質問をされてこの仕打ちだ。銀はだんだん腹が立ってきた。


その時。銀は、ちいさな足音を聞いた。すぐに日本刀を構える。


「おい、お前、怪異が…」


「あ、そ?レーダーとしては使えるかもしれない、ね!」


そういいながら、メシアは怪異の放つ炎を、半回転で避ける。

そして、流れるような動作で、銃を放つ。弾丸が生き物のように飛んでいき、怪異の弱点である心臓を貫通した。


「…コンプリート。」


銀は、目の前の事情が読み取れず困っていたが、メシアと目が合うと、瞳を輝かせた。


「お前、討伐部隊だったのか!すごいな、名誉なことだ!俺もあこがれていた!」


「なら、家、使ってもいい?」


若干悩んだが、もともとヒーローにあこがれていた銀は、首を縦に振った。

メシアは、銀についてくるよう命令すると、本部へと足を進めた。




「いるか?波多野。ソレイユ。」


その声によって、楽しそうにはねてくる音が聞こえた。


「お帰り、メシア。」


美しい白髪に、妖艶な紫の瞳。ふわふわした帽子の少女が、メシアに飛びつく。銀は、天使を見た、と思い、顔を覆った。


「なんだ?…お前、照れてるの?ソレイユ、美人だよな。」


「君がメシアと一緒にいた子?ねえ、わたしとお友達になってくれない…?」


銀は何度もうなずいた。


「あ、葛城銀と申します…」


「わたしはシエル・ソレイユだよ。」


「…おかえり。」


波多野がソレイユの後ろから顔を出す。背の高いソレイユと、少女のような顔の波多野が合わさると、なんだか姉妹みたいだ。メシアは少しほほえましいと思った。最も、二人の戦闘を知っているからすぐにかき消したが。


「…メシア。」


その声に、耳を疑った。ライアは、おずおずとメシアのもとに歩み寄った。かなりの動揺を抑え込み、メシアは笑った。


「初めまして。波多野、この子、新しい隊員?俺は銀の世話でいっぱいだから、頼んだよ。」


ライアは、おもわず波多野の服の裾を握った。再会のあいさつなんて期待していなかった。ほめてもらえるなんて期待してなかった。なのに、悲しかった。…私は。


「そう。わかった。じゃあその、葛城くんはよろしくね。」


銀はいろいろと納得がいかなかったが、憧れのヒーローへの道が近づいたと思い、何も考えないことにした。



メシアが本部でくつろぎ始めると、ライアは走って波多野のもとへ行き、大泣きした。

波多野は困ったようにしているが、拒まないので、ライアは波多野のやさしさに甘えることにした。


「なんで…なんで…私の、何が悪かったんですか?」


『それが分からないからだよ。』


また、ボクの声が聞こえた。


「寝ようか。」


波多野は笑いながら言った。


「つらいときは、寝て、忘れちゃおう。大丈夫だよ。守ってあげる。」

「はい。。。ありがとうございます。」


「あの子、新しく入った子だって。」

「かわいそうに。早速いじめられてるのかしら。」

「売り飛ばされたり、監禁されたりするのよ、たぶん。」


銀は、さっきから聞こえてくる物騒な言葉に、怯えた。右にメシア、左にソレイユで、まんなかに銀がいる。メシアは、やっぱり評判悪いんだな。銀は思った。


「ひどいな…わたし、そんなことないのに…なんでだろう、同性の子に嫌われやすいの。銀君も、いやだったら…」


涙で潤んだソレイユの瞳を見て、銀は慌ててそんなことないと言い張った。

残念ながら、銀の慌てる表情を気に入ったソレイユの演技だが。メシアは、そんな銀を馬鹿にするように笑った。


「ねえ、cの依頼が入ったよ。」


波多野が、ライア

とともに現れ、無慈悲に告げた。







戦闘について

~怪異のレべル編~

sss 最強クラスの怪異。

ss sssクラスの補佐的立場。(ルノアール家を殺した)

s かなり強い怪異。五芒星のメンバーしか討伐できない。

a 強い怪異。並の戦闘員では歯が立たない。

b 理知的な怪異。奇襲などでの被害を食らう。(銀の兄を殺した)

c 特殊能力を使う怪異。少し上の戦闘員が行く。

d 少し強い怪異。一番戦闘員を殺している。量が最も多い。

e 一般的な怪異。知能を持たない。一般戦闘員が行く。


五芒星 討伐部隊最強の五人組。


一等星 レベルの低い一般戦闘員。(多い)

二等星 怪異の討伐を10体以上した戦闘員。

三等星 c級怪異を討伐できる戦闘員。

四等星 特殊能力を持ち、優秀な戦闘員。

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