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ニキしろ SS
ニキと改めて同居……同棲を初めて数週間。やっとニキと俺の荷物を全て家に搬入して部屋の環境も整った。玄関には【白井】の苗字。しかし、郵便物はニキのものも届いたりする。まるで結婚でもしたかのようだ。ニキの郵便物を俺が受け取ったりすると、そんな新婚夫婦感を感じる。
前にも同居していたことがあったが、その時を思い出す。あの時はただ友達が居ただけに感じていたが、今は違う。お互い、恋人として一緒にいる。正式に付き合っていて、恋人同士で一緒に住むことを決めて。それで俺たちはここで2人で暮らす。
俺は自分の部屋のPCの配信の環境設定を行いつつ、ニキが買い物から帰ってくるのを待っていた。時間は夕方18時頃。日が暮れる頃だった。出掛けたのは昼を食べた後だったから、そろそろ帰ってきてもおかしくないだろう。
「ただいまー」
「おかえりー」
「言われてた日用品色々買い足したよ、足りないやつは明日でいいや」
「助かるわ、ありがとう」
「疲れちゃった。ボビー癒して〜」
「やーめーろ、頭ぐりぐりすな」
ゲーミングチェアに座る俺の肩に、ニキが頭を押し付けてくる。ニキのいい匂いがして、やめろと言いつつ少し頭を撫でてやった。
「ゆーうた」
「なんや……っ」
振り向いた瞬間キスされる。少し恥ずかしいが、嬉しくなって微笑んでしまう。
「ほんま好きやなぁ」
「当たり前でしょ」
ニキも嬉しそうに微笑んでいた。今度は俺がニキに頭を撫でられている。俺はニキの手が好きだった。男らしい手で、頼れるこの手に触れるのが俺だけであることが嬉しい。俺以外の男はこの手に触れさせたくないな。と、少しメンヘラ気味な気持ちになったりもする。
「腹減ったなぁ、ニキは?」
「飯も適当に買ってきてあるよ、食べよっか」
「気が利くわ、いいね。ありがとう」
椅子から立ち上がって、ニキに付いて歩く。買ってきてくれたお弁当をレンジで温めて2人で食べる。チキンとかホットスナックも買ってきてくれていて、料理が苦手な俺たちでもこれだけ幸せなら市販の夕飯でも全然いいと思った。
夕飯を食べ終わって机を片づける。
お腹が満たされた俺たちは、2人で買った大きめのソファーに腰をかけていた。
「今日は買い物ありがとうな」
「いいよ、次はボビーね」
「ジャン負けな」
「またかよ」
「冗談。一緒に行こうや」
「それがいいや」
楽しみだなーと、ニヤニヤした顔で携帯をニキは眺めている。SNSの更新だろうな。
俺もSNSは更新するし、実写の撮影もあるし、今後の生活は気をつけなければならない。視聴者に同棲していることがバレないようにしないとならないし、ニキも俺も実写の配信の時は気をつけようと約束をしていた。
「ねぇボビー」
「買い物明日にせん?」
「別にええよ、なんも無いし」
「やった、足りないもん見つけよ」
ニキは立ち上がってキッチン周り、リビングの収納、掃除用具、色んなものを見て回った。なんだかんだ生活スキルがあって助かる。あとは料理を何とかしないとならないようだ。それを眺めている俺は、黙ってSNSを見続けていた。
ニキは時々携帯を見てなにか文字を打っているようだった。多分、足りないもののメモだろう。細かいところまで気をつかってくれるのは嬉しい。この同棲に前向きなのが分かるからだ。
「足りないものあんまりない!」
「なら良かったわー」
「ボビー欲しいものある?」
「なんやろな……んー…靴?」
「靴ね、買おっか」
「ええの?」
「いいよ、明日見に行こう」
「ありがと」
ニキはまた、俺の隣に帰ってくる。
「ボビー」
「なんやまた」
「頭撫でて」
「……はい?」
「撫でて!」
「わかったわかった、よしよし」
珍しくニキが甘えてくる。いつもニキの方から俺を撫でてくるのに。1人で買い物に行かせたのが寂しかったのか、ようやく始まったこの生活に甘えているのか。このイケメンが俺に甘えてくるのが愛おしい。こんな姿は俺しか見られない。独り占めできるのが嬉しい。独占欲が働く。この甘えた目も、声も、体温も、全部俺だけのものなんだと思うと、少し顔がにやけてしまう。
「ありがと」
「ええよー」
「じゃあ次ボビーの番!」
「やめろやめろ!わしゃわしゃすんなって!!」
「よーしよし、いい子だねー」
「ガキじゃないんやぞ!」
「あはは、可愛いなぁボビーは」
「なんや急に褒めよって」
「だって、やめろって言いつつ顔はずっとニコニコ嬉しそうにしとるけん、可愛いよ」
自分の表情に一切気づいていなかった。心の声が表情に反映されていると言われてから分かって、少し恥ずかしくなった。
「撫でられるの、好き?」
「……うん」
「そっか。よしよし」
「ニキがいつも撫でるからやろが…」
「そうだね、いい子」
「躾られとる……?」
まるで犬のように撫でられ続ける。最初のおふざけとは違って、優しく撫でられる。暖かい手の体温が伝わってきて心地よくて眠くなってくる。安心してしまって、ニキに身体を預ける。
「はぁ……可愛い」
「うるさい」
「ボビー、ここ撫でられるのも好きだよね」
「…ひぁ…っ」
どさくさに紛れて、ニキの手は俺の胸に触れてくる。特に敏感な所を優しく撫でられて、情けない声が出たことがわかった。
「う……ぁ、やめ」
「やめちゃう?」
「うぅ…っ」
「いやだねぇ」
「はぁ……っ、ん、ぅ……うぅ」
だんだん身体が熱を持つ。芯から暑くなっていく感覚。頭がぼやっとして、下の方からゾクゾクしてくる。腰が浮いていくような感覚になって、自然と身体がニキに擦り寄ってしまう。
「いや、だ……これっ、は、ぁっ」
「嫌?」
「違う…っ、もっと、ちゃんと……」
「……こう?」
「ひゃあ、っあ、あぁ……っ!」
気持ちいい。これだけで気持ちいい。胸をTシャツ越しに触られているだけなのにこんなに気持ちいいのは、ニキに触れられているからなんだろう。自分1人で触る時は、乳首だけじゃここまで気持ちよくなれないのに。興奮して腰が動いてしまう、自分で触れる感覚とはまるで違くて、涙が出そうなほど身体が火照っている。
「ボビー、前より声出てる。なんで?」
「んっ……んぅ……っ!」
「教えて?」
「……いやっ」
「じゃあやめちゃうよ」
「それも…っ!……い、いやだ」
「教えて」
「……1人で、触っとった…」
「……へぇ。どんな風に?」
一瞬の思考停止。気持ちよくてよく分かっていないが、嫌な予感が頭をよぎる。
「へ……?」
「どんな風に触ってたの。見せて」
「い、嫌だ!」
「見せて」
「……!うぅ…」
「ボビーはいい子、だよね?」
ニキに寄り添って身体を預けていた俺を、少し離す。ソファーの上に蕩けた俺が座っていて、ニキが普通に腰掛けて座っている。ニキはまっすぐ俺を見ていて、その目はギラギラと興奮しているように見えた。
「いい子」と言われ、ゾクゾクと背筋が伸びてしまう。撫でられている時の心地良さも快楽に繋がってきて、腰がビクッとして。その時ニキは俺の手に視線を移していた。そして俺はいつも1人でしていた時のように、服の上から乳首にそっと触れた。自分のペースで擦って、服と皮膚が擦れる感覚にチカチカする。これだけで気持ちいいけど、さっきまでニキが触ってくれていた感覚とは程遠い。でも、ニキに自慰を見られていることに興奮してきて、さっきと同じくらい腰が動く。ニキに見られている。自分で触って気持ちよくなっているところを見られている。乳首を触る手がどんどん加速して、抓るようにしたり、優しく指を擦り付けたり、ニキが俺に触る時を思い出して真似をする。
「あっ、あ、だめ、……っまって、はっ、あぁ、……っ、う、ぁっ……ッ!!」
「……ボビー?」
その瞬間腰が大きく波打って、乳首を擦り続けたまま軽く仰け反るような形になって下着の中に射精してしまう。イッてすぐは気持ちよくてどうでもよかったが、少ししてとてつもなく情けない姿をニキに見られたと思って、少し泣けてくる。
「……っ、うぅ…っ」
「よしよし。いい子。ちゃんとできて偉いね」
「嫌や、いやや……」
「じゃ、勝手にイッたお仕置ね?」
ニキは情けない俺を抱き抱え、耳元で「お仕置」と囁いた。そして、深くキスされる。舌を絡めて、呼吸ができないくらい何度も何度も唇を重ねて。また涙が溢れてしまう。気持ちよさと苦しさ、愛おしさで涙が出る。
「ふぁ…っ、ん、ぅ……っん」
「……っはは、気持ちいいんだ。ずっと僕に腰押し付けてるの分かってる?」
「し、知らんよそんなん…!」
「これはお仕置なのに、そっちが勝手に気持ちよくなったらダメだよ」
「……え」
「下着気持ち悪いでしょ、脱がしてあげる。こっちにおいで、裕太」
彼が俺を名前で呼ぶ。それは、大事な話し合いの時や、本気で俺を抱き潰すときの合図だった。名前呼びに興奮して、また勝手に気持ちよくなろうとしていた。
「駄目。来い」
「はい…っ」
ニキの部屋のベッドに勢いよく押し倒されて、すぐに下着を脱がされる。俺は抵抗もできないほど足腰が砕けていた。ニキはぐちゃぐちゃに汚れた下着を見て、企むように笑った。
「俺に見られて興奮しちゃったんだ」
「……はい」
「それでこんなにぐちゃぐちゃなの?」
「……言わんといて」
「裕太」
「……っ♡」
「お仕置だぞ、甘えんなよ」
ニキは慣れた手つきで指にローションを付けた。そして、ベッドに倒れている俺を見ながら俺の中に入れる。中を焦らすように、ゆっくりと。
「うぅ……っ」
「どうしたの、まだ全然入ってないから」
「…奥、欲しい」
「…僕に命令しちゃだめでしょ」
「あ……あ、ごめんなさい、ごめん…っああぁぁっっ!!あっ、あぅ……んんぅ……っ!!♡」
お仕置なのに、ニキにお願いをしてしまって謝ろうと思った瞬間に、欲しかった場所に近い距離を詰められる。急に奥まで入ってきて、気持ちよさに腰が浮いてガクガクと震えてしまう。
「裕太はいい子でしょ。僕の言うこと聞かないとダメだよ。ね?」
「うぅっ、う……ん、あぁっ……は、ぁ……」
ゆっくり指を抜かれる。中からものが無くなって、物足りない。はやく、はやくニキが欲しい。
「にき、欲し……」
「何?言い方があるでしょ、裕太」
「……にきの、俺ん中に欲しい…っです」
「お願いします。は?」
「お、お願いっ……します…」
「仕方ないね……っ!」
「うあぁぁあっッ!!!あぁッ、はぁっ…うぁ、んぅ、ぅうぅ…!!!♡♡」
いつの間にかゴムを付けていたニキのそれが、俺の中に勢いよく入ってくる。最初の一突きとは思えない勢いで俺の中に押し入ってきて、軽く絶頂する。声が抑えられなくて、気持ちが良すぎて叫ぶようにイッてしまった。
「挿れただけで?ダメじゃん。しかも、声うるさいよ。ちゃんと抑えて」
「無理っ……!!ぅあぁっ、無理だ、って……あ、あっ、あ、あ、ぅあ……っ♡」
「抑えろ……っ」
「ふ……ッうぅっ……ぐ、っ……ん……んぅ…ッ!!!♡♡」
口元を強く抑えられ、軽く首を絞められる。空気が脳に来なくて目がチカチカして、俺を押さえつけるニキと目が合った瞬間にまた絶頂した。俺は、これが大好きだった。
数秒間だけの苦しさがもどかしくて、ニキを見つめ続けてしまう。
「可愛いよ、裕太」
「はぁっ……うぅっ、はぁ……っあぁ……」
「でもまだ僕がイッないからね…っ!」
「ーーーーーーッッ!!!!♡♡♡」
「ほら、乳首触られながらするの、好きでしょ」
「好きっ♡すき、ぁっだめイク、イク……っ♡」
「…ッ、やば、締めすぎ……っ」
「にきっ、にき、中だして……ぇ…きて」
「はぁ……っ、中出すよ、いいねっ」
「うぁ……ぁあっーーーーーーッッ!!♡♡」
ニキが俺の中で波打っているのが分かる。少し苦しそうな顔をして、俺の中に出している。
俺は出るものも無く、情けなく絶頂している。
この感覚がたまらなくて癖になる。ビクビクと身体を反応させて、脱力する。何度も達してしまって動けない。腰が重たい。
「はぁ……っ、ボビー可愛かったよ」
「……うるさいのぉ…」
「好きだよ」
「分かってるよ…っ」
「えっちの時は僕に従順だよね」
「逆らったらどうなるか分からんからな……」
「しかも、メスイキも完全に身体が覚えちゃってたね」
「いちいち言わんでええやろが」
「それも含めて可愛いよって言ってんの」
「……はいはい、そーですか…」
ニキは俺を毎回毎回可愛いという。かっこいいと褒めてくれることも多いが、可愛いの頻度が明らかに多い。男を可愛いと思ったら沼だと聞くけれど、多分ニキは俺に沼ってるんだろうと思う。
ニキの言うことに従うのが気持ちいいし、ニキに従っていれば気持ちよくなれるし、俺はニキと付き合ってからそういうのにハマっていった。
「ゆーうーた」
「…なんやねん」
「好き?」
「……好き」
「どのくらい?」
「…………このくらいやなぁ!」
「痛い痛い!!力強いって!!」
事後のトークを終えた俺たちは一緒に風呂に入ったあと、一緒にゲームをして眠った。
今日は別で寝るのではなく、一緒の布団で眠ることにした。俺の部屋にニキを呼んで、セミダブルのベッドに2人で横になる。
「ボビーの匂いがする〜」
「あんま嗅ぐなよ」
「ま、本人から摂取すればいっか」
「やーめーろ!寝るぞ」
「はーい。さっきまであんなに従順で可愛かったのにねー」
「それはそれ、今は今やから」
「どんなボビーでも愛してるけどね」
「……俺も」
「ん?」
「俺も。ニキのこと、愛しとるよ」
俺らは互いに抱きしめあって眠った。
ニキの体温と匂いで優しい気持ちになる。
こんな恋人と一緒に過ごせるなんて、俺は幸せだと思う。
視聴者も知らないニキのこんな姿を独り占めして一緒に過ごしている俺は幸せだ。
ニキは俺のものだし、俺の全てはニキのもの。
眠りについたニキの寝息を聞きながら、絶対に死ぬまでこいつを離さないと誓って、キスをした。
END