想いを、ここに

7月14日。

夏休み開始まであと2週間。

「遅くなってすいません、夏休みの予定表です」

滝原くんは部活の予定表をみんなに回した。

「8月27日に地区大会あります、それが一番重要かな。前は県大会敗退やったから、今回は地方大会出場目指して練習頑張っていきましょう」

地方大会。地区大会で優勝もしくは準優勝、そして県大会で優勝した学校が進むことができる。私の前の高校は、地区大会で優勝し全国大会出場を果たした。メンバーはほとんどが3年生で、それに加えて優秀な2年生が何人か出場した。

「前々から、文はもう翔と考えて完成しててパフォーマンスとか曲は瑠衣と藍斗が考えてくれてるからあとで動画とかで見てもらいます」

みんなが全部考えてくれてたんだ。なんだか申し訳ないが、どんなパフォーマンスをするのか楽しみ。

「で、やねんけど、、、」

滝原くんが軽く手を叩いた。

「夏休み入ってすぐさ、みんなで旅行行かん？」

旅行、、。

「え、行きたい！！」

瑠衣ちゃんを開口一番に、他のみんなも行きたいね、とざわざわしだした。

「もっと前もって言えてたらよかってんけど中庭パフォーマンスとか色々あって遅くなってもうたわ、でも今からでも宿とれると思うし！」

行きたい。

みんなで旅行。

「あでも、急やから予定合わせるのむずいかもしれんしお金の問題もあるから全然強制じゃないで！またLINEで行ける日程とか参加不参加の投票つくっとくから見といてほしいです！」

滝原くんがそう言うと、みんなははい！と頷いた。

「じゃあこの話は一旦置いといて、大会のパフォーマンスの話します」

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「なーぎー行く？旅行」

部活終わり、荷物をまとめていると瑠衣ちゃんが聞いてきた。

「うん、行きたい」

「お、凪も行きたいか」

着替え終わった滝原くんが後ろからやって来た。

「どこ行くとか決まってるの？」

「あそれやねんけどさ、旅行行きたいなーって思って色々見てたら、8名以上の団体対象の安くなるやつやってる宿見つけてさ！宮城やねんけど、どう？」

「宮城いいじゃん！まったりできそうだし割とすぐ行けそうだもんね」

他の部員も、いいねいいね、と話し出した。

旅行、、。

みんなで行けたらきっと楽しい。でも、なんだか緊張するな。