ついに最終回です!
ここまで見守ってください感謝の
言葉しかないです。
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「……なつ。」
懐かしい声が、静寂の中に落ちた。
その音を聞いた瞬間、
なつの体が小さく震える。
胸の奥に熱が広がって、
目の前がじんわり滲んだ。
「……、いる、…ま、?」
「本当、心配かけやがって。」
笑うような、でもどこか掠れた声。
いるまがいつもの癖で、
なつの前髪を軽く指先で払った。
あの癖まで、夢の中の幻とは思えないほど
現実的で。
でも信用できなくて。
「…、ッまた、俺が作り出した
幻想でしかないんでしょ、、」
震える声。
思ってもないことを口に出してしまう。
なつの目にはうっすら涙が浮かんでいて、
それを見たいるまは一瞬、
表情を曇らせた。
「…………、そう。」
小さな間のあと、
いるまが悲しそうに微笑んだ。
まるで自分が“消えることを
もう知っている”かのような、そんな顔で。
「ッ!…、でも会いたかった。」
なつは声を詰まらせながら、
それでも前に一歩踏み出した。
泣き笑いのまま、いるまの胸に飛び込む。
「そっかッ!」
いるまの笑顔はまぶしくて、
どこまでも温かかった。
あの頃のまま――何一つ変わらない。
だから余計に、涙が止まらなかった。
「いるま、?ッ」
「ん?」
「もしかして…、、本物ッ?、”」
「それ以外に何があるんだよ。」
まるで何気ない会話のように
笑いながらも、 その瞳だけは、
どこまでもやさしく揺れていた。
「ッ!!!ッ会いたかった。」
堰を切ったように泣き出すなつを、
いるまは何も言わず、
ただ強く抱きしめた。
掌でなつの背を何度も撫でるたび、
夢なのか現実なのか、
もう境目なんてどうでも
よくなって いった。
「ごめん、ごめんなさいッ俺がいるまをッッ」
「大丈夫。なつは俺を殺してないよ。」
その言葉に、なつは顔を上げた。
涙に濡れた頬が、
光を反射して微かに光る。
「思い込み激しいんだから、ほんとにw」
「ちがうの…。??
俺いりゅまのこと殺してない、?ッ」
「俺がなつを殺すと思うか?」
「思わないッ…、」
「それと一緒。なつも俺のこと
殺すわけないだろ わかった?」
「うん、、。」
少し笑ういるまを見上げながら、
なつの涙が止まらなかった。
優しい声も、仕草も、ぬくもりも。
全部、懐かしくて、全部、恋しくて。
「本当にかわいんだから。」
頭をなでるのをやめる。
「ッねぇ…、、いるま。」
「ん?」
「俺どうしたらいるまと
“ずうっといっしょ”にいられる?」
「ん〜…なつが死ねばの話だけど。」
空気が一瞬、止まった。
なつの目が大きく見開かれる。
「…、じゃあ俺しぬよ?」
息を呑むように、なつは呟く。
その声には恐怖もなく、
ただ切実な願いだけがあった。
「まぁ勝手にしろ。止める気はないけど、
本当になつはそれでいいかな、考えろよ。」
「ぇ?」
「もしかしたら会えない可能性もあるし、
次は本当に一人になるかもだから。」
「…でもいるまが見つけてくれるでしょ?」
なつは少し震えた声で、
けれど笑顔を作りながら見上げる。
上目遣いで、
まるで子どもが甘えるように。
「もちろん。……でもいいのか?
らんとかすちとか、お前見捨てられる?」
「…、、むりかも。」
「だろうなw」
「でもいるまと”ずうっといっしょ”
にいたい。…、だめ?」
「いいよ。居てやるよ。」
その一言が、なつの世界を満たす。
光が差すような安心と、深い絶望の中で。
「約束覚えてるか?」
「…うん。死にたくなったら
俺のもとにこい、でしょ?」
「そう。なつがどうなろうと、
俺はもう死んでるから正味どうでもいいけど――なつが苦しむのだけは嫌だから。」
「……、ッ」
なつはもう、泣きながら笑うしかなかった。
その姿を見て、いるまは静かに息をついた。
ゆっくりと、二人が立ち上がる。
白い光が周囲を包み始める
――夢が終わる合図。
なつは初めて、
夢から「覚める」ということを恐れた。
「なつ。」
いるまが少しだけ笑って、
指先でなつの頬を軽くつついた。
「幸せになれよ。」
その声がやけに温かくて、やけに遠い。
その満面な笑顔は、まるで“本物のいるま”
そのものだった。
なつは涙をこぼしながら、
震える唇で呟いた。
「ありがとう……いるま。」
そう言って一歩、前に踏み出す。
――視界が白く染まる。
まぶたを開けると、いつもの部屋。
心臓の鼓動だけが、
現実に戻ったことを告げていた。
「……いるま。」
呼んでも、返事はない。
ただ静かに、時計の秒針が鳴っているだけ。
なつはゆっくりと立ち上がり、
冷凍庫の扉を開けたーー
コメント
3件
最高でしたほんとに… 新参過ぎて…もっと早くから追ってれば良かったですт т お疲れ様でした🫶🏻
わーんお疲れ様だよ^o̴̶̷̤⩊o̴̶̷̤^❕ 死.ネタとかあまり見てなかったんだけど、るるるるるちゃんのこの作品は好きで、ほんと凄かったꌩ ̫ ꌩ!!