テラーノベル
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『ペンギンがなぜ仲間を蹴り落とすか知っているかい?』
その声が聞こえた時、おれ__赤村ハヤトは目を覚ました。
部屋には絵画や彫刻が飾られている。
額縁に入っているディスプレイに目をやると、 1人の男が映っていた。
肩まで届くチョコレート色の髪、年は30歳ほどで髭は生えてない。目の片方だけ丸眼鏡をかけている。表情は柔らかく、目は子供のようにキラキラしている。
男は続けて言った。
『ペンギンは海に飛び込んでエサを探す姿が印象的な生き物だ。だが、ペンギンの生息している地域ではシャチなどのペンギンを捕食する天敵がいる。だから海の中に天敵がいるかどうか先頭の仲間を蹴り落として確認するそうだよ。』
『初めまして、またはお久しぶりだね諸君。 私のことは・・・[伯爵]とでも呼んでほしい。』
伯爵、、、こいつはおれを何度もこの命懸けのゲームに参加させてきた。
『まずは全員ロビーに集まってくれ。』
そう言われておれは部屋を出た。
ロビーに着くと見たことある顔が並んでいた。
「ハヤト!」
おれに最初に話しかけてきたのは、幼馴染みの 黒宮ウサギだった。
「ウサギも一緒か。少し安心したよ。」
「わたしも。今回のメン…」
ウサギが続きを話そうとした時に、大きな声が ロビー全体に響いた。
「サーバル!?なんでいるの!」
声の正体は御影コウモリだった。
「コウモリ!知り合いか?」
「あぁ同じ中学の友達だよ。」
コウモリがそう言うと、前髪を上げた男の子が話し始めた。
「初めまして。常磐サーバルと言います。」
完全に初めましてだ。コウモリ以外こいつを 誰1人知らない。
(もしかして初心者か、、、?)
おれがそう思っているとウサギが声をかけた。
「わたし黒宮ウサギ。もしかしてこのゲームは 初めて?」
「いいえ。これを含めると5回目です。」
その場にいる全員がすごく驚いた顔をした。
なぜなら5回もゲームに参加しているのに誰1人として会ったことがないからだ。
「おれは赤村ハヤトだ。よろしくな。」
おれが話し終えると汐浜中の奴らが話し始めた。
「ぼくは澄空アユです。」
「渋柿タイマイだ。」
「恋珊瑚クリオネと申します。」
「真珠ヶ淵マシラよ。」
「枝豆シャモです。サーバル君よろしくね!」
次に蛇のピアスをつけた男とマフラーをしている女が喋り出した。
「群青マムシだぜ。」
「檸檬里ムササビ。」
最後にプレアデスの2人が喋った。
「ぼくは翡翠度カラス。」
「山吹クジャク。よろしくサーバルちゃん。」
『全員自己紹介は終えたかな?それではルールを説明しよう。』
伯爵が指を鳴らすと紙がひらひらと落ちてきた。
おれたちはそれに目をやった。
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