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注意事項
地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。
それでは楽しんでいってください!
叶さん視点。
朝、カーテンの隙間から零れ落ちる光、食洗機の音に朝ごはんの匂い。全部が普通の日常なのに今日は特別で幸せに思える。これも全部が葛葉のお陰だと思うと本当にすごい。僕はきっと葛葉と居ればなんだって出来るし幸せなんだろうな。
『ん、葛葉おはよ。』
ゴシゴシと目を擦りながら歩いてくる葛葉。ネクタイが変な方向に曲がっていて寝ぼけてるのが分かって可愛い。
「おはよ、遅刻したのに待ってたんだ。」
『当たり前じゃん!置いてくわけないよ。』
「んふっ、叶のそういうとこ好き。」
『えっ?』
ポヤポヤの滑舌で満面の笑み。そんな愛おしすぎる葛葉から発せられた言葉にぴしっと固まってしまう。嬉しさやら恥ずかしさで顔が赤くなっていく。
「これからは口に出そうと思って、そうしたら好きの意味が分かるかなって。だめ?」
この子はどこまで人たらしいなんだ。こんな事言われて断れる人なんかいないよ。
『だめじゃないよ。むしろ嬉しい。』
「そっか、嬉しいなら良かったわ笑。」
ニシシなんてイタズラっぽく笑ってるその頬が赤くて視線もどこかぎこちなくて。葛葉は恥ずかしいんだろうな笑。でも向き合ってくれてる事がすごく嬉しい。
『電車来るから行こっ!』
「うん…///」
目の端に捉えた真っ赤な顔に淡い期待を抱いてクスリと口角が上がった。
葛葉さん視点。
叶が生徒会室で先生と話しているのを見ながらレオスが用意したおやつを食べる。あっ、このチョコレート美味しい。しかも良いメーカーのやつだ。俺と叶が仲が良い事は生徒会メンバーは承知していて叶が仕事で遅くなる時はこうして歓迎してくれる。でも今日は笑顔のレオスや緑仙さんじゃなくて樋口さんが目の前にいる。正直、めっちゃ怖い。
【それで葛葉は会長となんかあったん?】
「……いや、なんも無いっすね。」
【うそつくなや、言ってみ。】
「いや本当に何も無いですね。はい。」
怖い、怖すぎる。しかも勘が良いから全部バレる。怖いし言うのは叶に悪いし…。これもしかして俺、詰んだ感じ?
【そんな言えんの?この楓さんにもか?】
「言えないというかプライベートな事で💦」
そう、これは叶と俺の問題だ。心配してくれたりするのは嬉しいけどこれは自分達で解決しないといけない。
【プライベート!?尚更、知りたいわ✨️恋人でも出来たん?それとも好きな人?この副生徒会長様に言ってみ。あらゆるコネ使って情報仕入れてきてあげるわ。】
「そんなんじゃなくて…そのぉ。」
困って何も言えないでいたらくいっと腕を掴まれた。
「あっ、叶。仕事終わったの?」
『うん、バッチリね。と言うことで僕らは帰るので。あと楓さんもあんまり葛葉を困らせないでくれると嬉しいな、ね?』
叶と生徒会室を出ていく時、樋口さんが少し怯えた顔をしてた気がする。気のせいか、樋口さんより怖い人なんて居ないもんな。
叶さん視点。
隣で鼻歌を歌いながら石を蹴っている葛葉を見つめる。にこにこと嬉しそうな笑顔に気が抜けた歌い方とはいえ上手くて聴き心地の良い声を堪能する。幼い時は今とは真逆で僕がたんぽぽの種を飛ばながら走りまわって、それをまだ体の弱かった葛葉が見つめて笑っていた。それが10年も経てばすっかり変わってしまうんだから考え深い。だからこそ僕は葛葉との時間と思い出を大切にしたいな。
「…?叶どうした?」
『考え深いなって、思い出に浸ってた。』
「んは、なにそれ笑。」
『あれっ?そういうとこ好きって言ってくれないのかな、くーちゃん?』
「黄昏れてるやつは好きじゃないでーす。」
『んふふ、それもそっか。』
黄昏れてるやつは好きじゃない。よし覚えておこう。これからはクールキャラじゃなくて可愛いキャラにしようかな笑。
「でも叶の笑った顔は好き…かも///」
『可愛いすぎるよ…くーちゃん。』
笑った顔が好き、なんて可愛い事言ってくれるな。嬉しすぎてニヤニヤしちゃう。口元に手を置いて必死に隠すけどこれは多分バレてるから意味ないな。
「叶は?」
『僕はって?』
指をモジモジ絡めながら躊躇っている葛葉。あぁ、僕分かっちゃったかも。元々上がっていた口角がもっと上がっていく。もうニヤニヤとかじゃなくてニタニタしてるかも。
「叶は、俺のどこが好きなのかなって…///」
『そんなの多くて決められないよー!』
「うわっ💦お前抱きつくな!!!」
走って逃げる葛葉を追いかけて僕も勢いよく走り出した。
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
早くくっつけろや!って思ってたらすみません。必ずくっつけるのでお待ちをm(_ _)m
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
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