莉子と出会い、そして別れてから、月日が流れた。
優馬は高校生になっていた。
莉子が使っていた花束のスケッチブックは、今でもずっと優馬の宝物。
ページを開くたびに、莉子との思い出が鮮やかに蘇る。
優馬は、莉子との約束を胸に、花屋でアルバイトを始めた。
最初は、花の名前を覚えるのも、花束を作るのも不器用だった。
それでも、優馬は莉子が教えてくれた花言葉を思い出し、花に込められた物語を想像しながら、一つひとつの作業を丁寧にこなしていった。
ある日、優馬は小さな花束を注文する女性客と出会う。
彼女は、遠くに引っ越してしまう友人への感謝の気持ちを花束に託したい、と優馬に相談した。
優馬は、莉子との思い出を胸に、友情と感謝を伝える花言葉を持つ花を選び、花束を作り上げた。
出来上がった花束を受け取った女性は、花束の美しさと、優馬が語る花言葉の物語に感動し、笑顔で花屋を後にした。
その女性の笑顔を見た優馬は、胸の奥から温かいものがこみ上げてくるのを感じた。
莉子が望んでいた「たくさんの人に届ける花束」は、華々しい成功や名声ではない。花を通して、人々の心を温かくすることだったのだ。
優馬は、夜空を見上げ、莉子に語りかけた。
「莉子さん、僕、少しずつだけど、花束を作れるようになったよ。莉子さんがくれた希望を、今度は僕が、誰かに届ける番だね」
優馬は、莉子が自分に託してくれた「小さな花束」が、いつしか自分の人生そのものになっていることに気づいた。
莉子との出会いが、優馬の人生に彩りを与え、未来への道筋を示してくれた。
優馬は、これからも花束を作り続けるだろう。一つひとつの花に、莉子との思い出と、優馬自身の希望を込めて。
それは、誰にも見つけられないような小さな輝きかもしれない。
でも、優馬にとっては、何よりも大切な、自分だけの「スターダム」だった。
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この話で、「小さな花束とスターダム」は完結となります。次は「FACTORY」を元にお話を書きたいと思ってます!!また、書いてほしい曲名を言っていただければ、書きますのでお気軽にお声かけください!!!!っていうか待ってます~!
明日、お知らせがありますので、よかったら見てください!では、最後までお読みいただき、ありがとうございました!