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ㅤ
⚠ attention
ご本人とは関係ない話。
hsrbが記憶を取り戻します。
本文では文字伏せ無し。
VTA時代の描写有
地雷さんは🇧🇷へGO
⋯
八月の上旬。
蝉の音が煩く鳴り響いて、
夏休み中であろう子供達は、
公園で元気に遊んでいる姿を見る。
ㅤ「 あっちぃ… 」
『 普通にやばいってこの暑さ… 』
こんな猛暑の中でも、
俺はヒーロー業に励んでいる。
一緒に帰っているのは星導ショウ。
星導とは長い付き合いで、
相方、 と言っても過言ではない。
けれど、 星導は昔のことを覚えていない。
俺がヒーローになった時。 上の司令で、
Dyticaというヒーロー集団を組んだ。
その時に印象に残ったのは、
長い紫色の髪の毛に、 疎らに水色の
メッシュが入ってる男。
そいつが挨拶をしたとき。
「 星導ショウ。 鑑定士です。 」
そういうと、
そいつは にこ、 と 柔らかく微笑む。
名前も、声も、何もかも見覚えがある。
なのに、 姿は違っていて。
あれ、 おかしいな。 って思った。
だって、 俺が知ってるのは、
少しグレー色の髪の毛を揺らして、
『 ぴょん! 』
って話しかけてくれる 星導晶 。
星導なんて苗字、
生きてきてこの方見たことないし、
こいつは確実に、 星導なんだなって。
『 … おい小柳くん 』
現実に引き戻されて、
目の前を見ると、 紫髪を揺らして
覗き込んでる星導が居た。
「 …あぁ、なんだよ 」
『 びっくりした、 熱中症で死んだのかと 』
「 死んでねーよ 」
見つめてくる星導、 すぐに目を逸らした。
星導は不思議そうな顔をしたけど。
そうして歩いていくと、
奥の方に駄菓子屋が見えた。
それは、 とても風情があって。
懐かしくて。
それは昔の星導晶と、 よく行った所。
その駄菓子屋のおばさんも、
優しくしてくれて、 二人でベンチに
座りながらアイス食ったっけ。
『 あ、あそこの駄菓子屋で休もうよ 』
「 え…あ、あぁ、そうだな。 」
やったぁ! なんて 言いながら
星導は俺より少し前を歩いていた。
駄菓子屋の前に行くと、
子供が3人ほど、 駄菓子屋の前に置かれてる
ガムボールマシンに群がっていた。
『 ガムボールマシンだって、 懐かし~ 』
よく言うよ。 お前は何も知らないくせに。
[ あれぇ、 小柳くんかい? ]
声がした方を向くと、
それは駄菓子屋の奥から出てきた
おばさんだった。
「 あ…はい、 そうっす 」
久しぶりです、 なんて言っては
少しお辞儀をして。
おばさんは星導の方を見て、不思議そうにした。
[ あれ…彼女かい? ]
星導は少し遠く、
ガムボールマシンに群がっていた子供たちに、
タコの触手を不思議そうに触られていた。
「ㅤあー、いや…違うんすよ、男ですあいつ 」
星導、 と呼ぶと子供の輪から抜けてきて、
こっちに来て。
[ あんた随分綺麗ねぇ… ]
『 あはは、 ありがとうございます~ 』
[ お名前は? ]
『 あ、 星導ショウです。 』
星導がお辞儀をすると、 おばさんは
驚いた顔をした。
そりゃそうだよな。
昔来てた可愛らしい顔のやつが、
こんな長髪の儚い中性的な顔に
変わってたら、 驚くわ。
[ あの星導くんかい?! ]
[ まー… 立派に成長したねぇ、 ]
『 …? 』
「 あー、おばさん、 アイスふたつ頂戴 」
俺が会話を遮るように喋った。
星導は、 また不思議そうな顔をした。
だって昔のこと、覚えてねぇんだもん。
[ はいはい、ちょっとお待ち ]
『 … 』
そのまま突っ立っているのもあれだし、
近くのベンチに座ると、
星導も横に座った。
そうして沈黙が続く。
『 …小柳くん 』
蝉の音が鳴り響いている。うるさいくらい。
それを遮るように星導の声がする。
『 …昔、俺たちここに来てたんだよね 』
「 …そうかもな 」
俺は汗を拭い、 目線を下に向けた。
そうすると、 ぽた、と 地面に水が垂れた。
汗かなんかか、 と思っていると、
星導から鼻を啜る音がした。
それに気づいて、星導の方を見る。
星導は泣いていた。
『 おれ、 おもいだしたよ 』
『 ぴょん、 』
END
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