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「……おいhoola、今日ぜってぇ休んだだろ」
教室に入ってきたhyeheheが、自分の席に荷物を置いてすぐ、hoolaの席がぽっかり空いていることに気づいた。
連絡もなかった。朝の登校LINEにも既読がついてない。
(……まさか、マジで風邪?)
その日の授業が終わると、hyeheheは寄り道もせず真っ直ぐhoolaの家へ向かった。
ピンポンを押すと、数秒後にインターホン越しにhoolaの声がする。
「……ん……だれ……」
「おれ。おまえ今日、顔も見せねぇし。心配して来たっつーの」
「えっ……ちょ、ま、まってメイクしてないし髪ぼさぼさ……!」
「風邪ひいてメイクばっちりだったら逆に引くわ。開けろ」
ドアが開くと、そこには赤い顔でマスクをしたhoolaが。
目も少しうるんでいて、肌もほんのり熱っぽい。
「ちょっと見た目やばいから、笑ったら許さないからな……」
「いや、かわいすぎて笑うしかねーわ」
「ころすぞ」
それでも部屋に上げてくれたhoolaの家は、いつもより静かで、空気も少し熱がこもっていた。
「……薬飲んだ?」
「飲んだ。でも、頭ぼーっとして何にも手つかない〜〜」
「ほら、水ちゃんと飲め。あとこれ」
hyeheheがコンビニで買ってきたプリンとスポドリと冷えピタを差し出す。
プリンはいつもhoolaが好きって言ってたやつ。
「……あんた、彼氏かよ」
「いやそうだろ」
hoolaは照れながらプリンを受け取り、ベッドに座ってそれを食べ始める。
その横で、hyeheheはスマホで好きな音楽を流してくれたり、冷えピタを貼ってくれたりと、いつになく優しい。
「……なぁ、hyehehe」
「ん」
「風邪ひくとさ、ちょっとだけ甘えたくなるんだけど……」
「……いーぞ?今日は特別に」
「…………じゃあ、手、握ってて」
「はいはい。ん」
差し出された手を、いつもより柔らかい力で包み込むhyehehe。
「なーんか熱上がってきた気がする」
「風邪のせいじゃねーだろそれ」
ほんの少し熱い空気の中で、
くすぐったくて甘い時間が、そっと流れていった。
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