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和香那が……レイプに関わっていた?一体どういう事なのか、何もわからない。
でも、悪意しかないコメントは
私に向けられた憎悪でしかなかった。
お父さんを誘惑したのもそれなの?
私から奪いたかったの?
……もしかして
背筋に冷たいものが落ちた
いや、ダメ
そんな風に考えたらダメ!!
必死で思考を止めようとするのに
抑えれば抑えるほど、明確に浮かぶ
和香那が、仕組んだ……?
――『やっぱ、淫乱だったな』
あの言葉が引っ掛かってはいた。
誰かにそう聞いたような口ぶり。
―――
ふいに思い出した。
兄は何故、和香那が父の不倫相手って知っていたのかな……。
お母さんが興信所に依頼した証拠を見たのだと思っていた。
それに、引きこもりになったいじめ……
兄の死はあまりにも多くのことが分からないままだった。
部屋に残されていたスマホはロックがかかっていて開けなかった。
……もしかして、スマホのロック解除ってできるんじゃ?
私はまた、例のサイバー探偵さんに聞いてみた
『できますよ。データ消去したのも探れます』
『とっくに三年前に解約してますけど?』
『問題ありません。本体をお持ちください』
―――
後日その人にまた会った。
『先日はありがとうございました。これなんですけど……』
兄のスマホを渡した。
『あぁよかった。最新型だったりすると、解除に上乗せかかるんですよ。これなら、そうですね、診断料とロック解除成功報酬で20万円になります。解析は別途10万で請け負いますよ』
『お願いします!』
―――
待ち合わせたのは前回と同じ喫茶店
返されたスマホ本体、そしてプリントアウトされた解析報告書は細かく文字がびっしりと埋まっていた。
『消去されたメッセージや、シークレットホルダーの方も解析しました』
30万円の依頼料を払うと
『また、何かありましたらご相談ください』
と丁寧に頭を下げ、その人は帰っていった。
追加でアイスコーヒーを頼み
何枚も束になった報告書に目を通した。
高1の頃の兄が頻繁にしていた友人たちとのやり取り
まるで、四年前のあの頃が、つい最近の事のように思えた。
読みながら辿っていた指が止まった。
和香那の文字
――今日はありがとう。俺めちゃくちゃ嬉しい
――私もです。長年の夢が叶いました
知らなかった。
兄は和香那と交際していた。
日付を確認すると、それはあの兄が明るかった頃のものだった。
そのやり取りを辿っていくと
二人の履歴がメッセージで綴られていた
時には、親密な関係を匂わせるものも。
そして、それはある日からやり取りの温度が冷たくなっていってた
――絶対別れたくない
――和香那頼むよ!電話に出てくれよ
――俺、君の望む通りに変わるから
兄のメッセージに返信はなく暫く一方的に送られていた。
そして、和香那から返された返信
――ねぇ、しつこいんだけど。
また痛い目に遭いたいの?
あのさ、あんたとのセックスつまんないのよ。
お父さんの方がよっぽど上手で気持ちよかった。
やっぱ親子でもそこは似ないのね
それは、兄が学校へ行かなくなった頃のものだった
そして、兄が最後に残したメッセージは
唯一残された遺書だった
――和香那、おまえ最低な女だな。
俺、お前の前から消えてやるよ。
だから、翔音とも付き合うな。
これで満足だろ?
俺の家族は崩壊したよ。
じゃあな。
おまえのことめちゃくちゃ恨んで死んでやるわ
和香那は返信していた
――詩音やばーい。メンブレすぎじゃん。
はいはい、さようなら。清々するわ
私は気がつくと握りしめた掌に爪が刺さって
破れた皮膚から血が出ていた