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(gk視点)
今日も刀也さんが来てくれる。それだけでも嬉しいと言える。
早く学校終わらないかな。
「!!」
「刀也さん!」
『こんにちは。きつねさん』
―――
『〜〜、〜』
「〜!!〜ww」
他愛もない話と共に時間が過ぎてゆく。まだ帰ってしまわないように、どうにかして引き止めたい。俺が、刀也さんの友達ならば、人だったならば、もっと仲良くなれたのかな。
「ねぇ、刀也さん」
『?なんです?』
『不老って、どう思う?』
遠回りするのもむず痒くて、率直に聞いた。
『え?不老?老けないって書く方のですか?』
「まぁそうだな。それで、どうなの?」
『不老か、それを永遠と仮定するならば、』
『なりたいとは思います。だけど、永遠って、無いものだと思うんですよね』
「それは、どうして?」
『長くなりますけど、いいですか?』
「あぁ、いいぜ」
『例えば、有名な人が亡くなった時とか、想いだとか、永遠のものにしていきますって言うじゃないですか。形のないものを永遠にする為にはその人を語る人とそれを受け継ぐ人が必要なんです。語る人がどれだけ頑張ったって全員が受け継ぐとは限らない。形のあるものでもそうだ、腕のある人が作ったものを同じように作ることは出来ない。AIであってもね。いつかは途絶えてしまう。』
『永遠はないから世界は美しく見えると、僕はそう思ってます』
高校生だとは思えない。考え方が達観してる。惹かれていく。
「じゃあ、刀也さんはどうしてなりたいと思うって言ったんだ?」
『…さっきも言ったように永遠は無い。だったら、そういう変わっていく世界を見ていきたいです。』
「なるほどね。なぁ、今日はもうちょっといてくれないか?」
『?何かある?』
「うーん、ちょっとね」
そう言って、今までは入れていなかった社内の奥へと案内した。畳の匂いが心地いい、風通りのいい部屋。
『わぁ、結構広いんですね。ここ』
「まぁな。1人じゃ広すぎるけどな」
「そこら辺でくつろいでて」
『分かりました』
日が沈み始めて、しばらく経ったらしい。夕焼けの光が刀也さんを照らして、キラキラしているように見えた。
『ねぇ、』
『何かあるんでしょう?』
『きつねさん』
この人は本当に面白いな。
「敵わないな、」
ふっと笑ってしまう。いつの間にか正座をして待っている刀也さんと向かい合い、笑顔で言った。
「刀也さん、もう一回聞かせて」
「不老になりたい?」
『はい。』
「俺は今から刀也さんに術をかける」
「一度かけたら解けることの無いものだ」
「俺のわがままを聞いて欲しい」
「俺は刀也さんに惹かれている」
「刀也さんが断っても、俺は貴方を手放せない」
……。
『ーーーーーー』
『ーーーーーーーーーー』
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『はーい皆さんお待たせ致しました』
「咎人のトガの方、伏見ガクっス」
『剣持刀也です』
【よろしくお願いします】
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彼の名は剣持刀也。
高校二年生、剣道部。
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長い間更新していないにも関わらず短くて申し訳ありません。
最後の空白の部分は好きな言葉を当てて下さい。
おわり