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さようなら、またね。
大大大捏造
1観測者の戯言、妄言、願い
お話というか、妄想垂れ流し
真っ暗な夜。月も出ていない。空と海の境界線も見えない。
そんな夜に、ヘリが一機、飛び立った。
「……。」
外の景色に溶け込むように、ぼやけた輪郭のヘリ。
運転しているのは、とあるギャングのボス。
眼前に広がる空と同じ色をした瞳は、鈍く光を放った。
無線は抜けている。もう必要ない。
身勝手に置いていくのだ。恨まれても仕方がない。…でも、彼の仲間たちはそんな事はしない。
彼のギャングは「自由にやろや!」が方針だ。
仲間の自由を止めるようなことは、しないのだ。
一人ひとり、思い返す。
ノンデリだ、と殴られた。俺が居ない時はお前が決めろ、と任されてしまった。
オジサンだとからかわれた。瞑想のときもいてね、と可愛いことを言ってきた。
車をプレゼントしてくれた。ドッキリ付きで。銃を持たせれば右に出るものはいなかった。
早番で2人、皆の起床を待った。宝石でスタッシュをごちゃごちゃにされた。
空き巣のウォチパで沢山笑わせてもらった。いつもシリアスから逃げていた。
黒に落とした。店長と呼んでくれた。好きに生きろと、命じた。
初めての構成員、先生と呼んでくれた。ずっと、慕ってくれていた。
裏メニューを買わせて、黒へ引き入れた。生意気にもヨーちゃんなんて呼んできた。
ギャング入り最終試験で、ヘリで救った。感動していた。仇がいることを話してくれた。
突飛なことを言われた。入りたいと、言ってくれた。アーティ神ってなんだよ。
何故か連絡先を知られていた。沢山助けてもらった。ヘリをあげたら思ったより喜んでいた。
みんな、良い奴だ。
ヘリのプロペラが回る。風が窓を叩く。
「……。」
ただ、黙っていた。
向かうは隣町、ロスヨントス。
操縦桿を握る手に、力が入る。
男は振り返らない。
「……ばいばい、みんな元気で。」