「お、手っ取り早そうな洞窟はっけーん」
「さーて、ダイヤ掘りに行きますか〜」
皆が足を進める中、1人だけ洞窟の入口に立ったまま唖然としている人物がいた。
「ん?シッマどしたん」
「な…、何も見えへん……」
一寸先はただ闇が広がっているだけだった。
裸眼だと、こう見えるんや…。
「仕方ないなぁ。ほい、松明係よろしく」
「おぅ…」
ぺい、と乱雑に投げ出された松明が揚々と光り輝いていた。
多分これ、普通に触ったら熱いよな…。
炎が触れないよう、そっと持ち上げ手に持つ。それはほんのり暖かく闇を退けてくれる。
「シッマ〜、置いてくでー。てか、シッマ居ないとオレら進めなーい」
「今行くでー」
いつもの手順で松明を手際よく置いていく。
いつもどんな風になってるんか気になってたけど、ホンマにそのまんまくっついてんのや。
1人で勝手に感心していると、何かがなびく音が後ろで聞こえた。
「え…?」
振り向くとそこには、まさしく『骨』が立っていた。
「うわあぁぁぁ!!」
盛大に声を上げ、一目散に来た道を戻る。
「ぶちょー、どうしました?」
「ショッピ君、スケさんいるっ!!」
「あー、はいはい」
さぞめんどくさそうに答えると手元から弓を取り出し、慣れた手つきでスケルトンを射抜いた。
「た、助かった…」
「はぐれないでくださいよ〜」
「わかった…」
スケルトン、リアルだった…。
未だバクバクと落ち着きを取り戻さない鼓動を抑え、呼吸を整える。
「…んぁ」
なんか光った気ぃする…。
「シッマ、松明切れたか?」
返事はない。
「…?」
不思議に思い振り向くと、そこには彼の姿はなかった。
「は?」
「トントンどしたん?」
「コネシマが居らへん…」
「えっ、また1人でどっか行ったんですか?」
「来た道戻ったら、松明あるんちゃいます?」
「せやな、一回戻るか」
チーノの言う通り、彼らが進んできた道の逆側に松明が伸びていた。おそらく、コネシマが通ったであろう場所。
「アイツ、勝手に…」
「急いで探しに行くか」
しかし、意気込んだのも束の間、黄色い頭がぴょこりとブロックの隙間から覗いた。一同が同時に肩をすくめたそのとき、
「っ!!、コネシマ後ろ!!」
「あ…?」
シャオロンが叫んだ。彼の背後に一体のゾンビが迫っていたのだ。武器を取り出す暇もなく、ソレがコネシマに覆いかぶさった。
「コネシマ!」
「シッマ!!」
「っ?!!」
皆が彼を助けるべく一斉に駆け出した。
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