テラーノベル
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「琉生くん!」
目の前には包帯で足や腕をぐるぐると巻かれた、痛々しい姿の琉生くんが眠っていた。
「なんとか傷は塞いで峠は越えたわ。あとは本人の意識次第。」
「皆さん…ありがとうございます。琉生くん…皆が治してくれたんだよ。意識戻ったら、またいっぱいお話ししようね。」
琉生くんの額に手を当て、さするように撫でる。
「本当は問い詰めたいこといっぱいあったけど、なんか自分が恥ずかしくなってきた。まあ、花月が喜んでるなら僕のことなんかどうでもいいんだけど…。」
「泰揮、大丈夫ですか…?」
「久しぶりに力を使いすぎたわ…部屋で休んでくる。」
「そしたら…今日はお開きだな。」
「花月も部屋で寝るんだよ。」
「私…ここで琉生くんの様子見てます。」
「花月が倒れたりしたら大変だよ。無理しないで…。」
「目が覚めたら一番にいてあげたいから……お願い…ここにいさせて。」
「花月…。」
「ほら、花月。」
目の前にタオルケットが飛んでくる。もちろん投げてきたのは劉磨さん。
「風邪ひくなよ。」
「うん。ありがとう。」
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