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「んぁ、」
まだ登りきっていない日が窓から差し込む
優しく、爽やかな朝の匂いが鼻をくすぐる
半分寝ている体を起こし、リビングへと向かう
「ん〜…、とーしゅとでええかなぁ?」
誰もいないから返事は帰ってこない
トーストをオーブントースターで焼いているうちに準備を進める
ぱしゃ、ぱしゃ
水の温度が寝起きの顔に気持ちいい
目がだんだんと覚めてきた
パジャマを脱ぎ、学校の制服へと着替える
トーストが焦げていないかオーブントースターへと駆け寄る
「トースト!だいじょぶか!?」
なぜ俺はトーストに話しかけているのだろう
まあ、そこらへんは良しとして
トーストが丁度いいぐらいにきつね色に染まっていた
焼きあがったトーストを皿に盛り付け、テーブルに置く
「いただきます、」
さくっ
ん、結構良い具合に焼けた
ほんのり甘くて、なんも付けんでええなこれは
みたいな食レポをしつつ、歯磨きを終わらせ、学校に行こうとする
なにか今日は体がだるいな、と思った
だけど
「いってきます、」
誰もいない家にこだまする
がちゃり、と音を立てて鍵を閉める
ゆっくりと足を進める
朝の緑の匂い
顔の横を通り過ぎる清々しい風
いつもの風景だ
たしかここら辺で…
「あれ、たっつんじゃん」
後ろから聞きなれた声が俺の名前を呼ぶ
肩に手を置かれ、すこしびくっ、とする
「んあ、おはよ」
にこっと笑えば、彼も
「うん、おはよ」
と笑って返してくれた
このために朝早起きしたねん
ちょっと
嬉しい、
「一緒に行こっか」
いつもとは違う返しに目が丸くなる
一瞬立ち止まる俺に彼は続ける
「あ、!ごめん、嫌じゃなかったら!」
さっきまでかっこつけてたんに急に焦っとる笑
なんか可愛いな、
ん”ん”っ、
「いや、ええで、行こ?」
そう言うと彼は心底嬉しそうな顔で頷く
「うん!行こ〜!」
二人で並んで通学路を歩く
彼が隣にいるからかいつもより心臓がうるさい
バレないようにすまし顔で風景を眺める
ちらっ、と彼を見る
彼も周りの風景を楽しんでいるように見えた
彼の横顔は綺麗で、見惚れてしまうような…
ふいにこっちを向いた彼と目が
ばちっ、と合う
かぁ、っと頬の温度が上がるのを実感する
彼はびっくりし、にや、と笑う
「どうしたの、たっつん?」
わざとらしく聞く彼
「別に…、 」
そう言って頬を手で包む
あっつ…
俺どんな赤なってんねん…
「ちょっと体調悪いだけ」
朝から体調悪そうやなとは思ったけど、
なんか熱出てそうやな…なんかだるいし。
そう言うと彼は目を見開く
「体調悪いの!?じゃ、学校来ちゃダメじゃん!帰るよ!」
へぁ?
「え、待って、もう学校着くで!?」
驚く俺に彼は言う
「大丈夫、朝はやいから!」
そう言って俺をお姫様抱っこする
はぁぁぁぁぁ/!?
「ま、じゃぱ、!?降ろして!?」
軽々と持ち上げる彼に言う
「だめ、体大切にして!!」
となかなか聞いてくれない
時間が遅れるから、と言うと
「じゃ、走る」
って走っとる
じゃぱぱの体は大きくて、暖かい
走れば揺れるから余計緊張する
顔が近くて、目を伏せる
今は朝よりも顔が紅潮しているだろう
通り過ぎの女子高校生にも見られたし…
コイツッ…/
そんなことを考えているうちに俺のうちの前に来ていた
じゃぱぱが俺を降ろす
ずっとお姫様抱っこされていたからか、緊張しすぎたせいか足が
がくっとしてしっかり立てない
へにゃりと座り込んでしまった
「え、たっつん大丈夫!?」
もう一度彼がお姫様抱っこをする
「ちょ…、まっ/、てッ?」
はぁっ、はあっ、息がきれる
彼は何を思ったのかふいっと顔を背ける
耳が真っ赤…?
「かッ、鍵は?」
顔を背けたまま問う
俺はポケットに突っ込んでいた鍵を出す
彼は鍵を受け取るとがちゃりとドアを開けた
玄関の近くにリビングがあるため、リビングのソファに俺をそっと優しい手つきで降ろす
「お、俺は学校行くから…」
すこし目線を背けて言う
「お大事に…/」
がちゃ、とドアの閉まる音が聞こえた
少し寝よかな、この熱が引くまで