わんくっしょん
💮この作品は、ご本人様とは一切関係ありません。
💮ご本人様の目に届くようなことはしません。
💮作者の完全なる妄想物語です。
どうも、お久しぶりですが定番の挨拶になってる深尾です
実は周年記念に投稿しようと書いていたのに間に合わず、完成はしたのでせっかくだからドーム応援として投稿させてもらいました…
相変わらずの駄作ですが読んで貰えると嬉しいです
もちろんクレームは随時受け付けております
ちなみにpixivの方にこれの桃さんver.載せてます(小声)
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オルゴールになんて、なりたくない。
儚げに、優しくささやいてそっと包み込んであげるような、そんなんやなくて。
俺がなりたいのは、元気を与えるような。身体の内側から、活力を湧き上がらせるような。
例えるなら、大太鼓。そういうものになりたい。
そもそも、キラキラした優しい音を奏でるオルゴールをつくりたいならどこまでも力強く音を轟かせる大太鼓を加えたらだめやろ。どちらの音も殺してしまう。
しょせん、目に付いたいいなと思ったものを考え無しに寄せ集めているだけ。
俺は俺の音を変える気は無いし、まわりに俺に合わせて欲しいとも思わない。
そう、思っていた。のに。
「お前の歌声に、惚れた。」
「俺らと、お前なら絶対大きくなれるから」
「一緒に、やろう。いや、やるよね?」
お前が、必要。不可欠。お前がいないと成功はありえない。
飽きることなく続く勧誘。熱心なプレゼンテーション。
正直、嬉しかった。ここまで必要とされたことなんてない。掲げられた具体的な案に、揺れ始める心。そして。
「あいつは絶対やり遂げる。僕も、あにきと一緒に歌いたい。」
既にメンバーとして活動を決めていた、あいつの言葉に背中を押された。
やるからには、本気で。大舞台に立つためにも、たとえ憎まれ役になろうとも最年長であり長年歌い続けていた自分がみんなを引っ張っていこう。
そう覚悟を決めた。なのに。
毎日遅くまで行われる話し合い。
次々と出される企画。
休む間もなく発表される新曲。
目まぐるしく日々は過ぎていき、気づけばもう4年。最初に掲げた武道館だって、今はもう懐かしい記憶となった。
これまで音楽で生きていくために、それなりに努力してきたつもりやった。
でも、違った。
努力って、こうやってするもんなんやな。グループに入って、目からウロコが落ちたような気がした。
今までやってきたのは努力なんかじゃなかった。まだまだできることは、あったんや。
素直にそう、思った。
どうせもって2、3年。最初はそんなふうに思っていたのに、こんなにも大切な家族みたいな存在になるなんて思ってもみなかった。
信頼してる。感謝もしてる。ほんまに。
自分は、こいつらのために何ができるだろうか。
暴走したら、叱ってやろう。
疲れ果てていたら、美味しいご飯を食べさせてやろう。
思うことがあるなら、耳を傾けてやろう。
泣きそうなら、肩を貸してやろう。
そんなことが、支えになるのなら。
そう、思えるくらい、もう俺があいつらから離れるなんて考えられなくなってる。
「宮城県の松島にね、世界最大のオルゴールがあるんだ。その音は圧巻で、みんなに愛されてる。お前の考えてるような優しいだけのやつがオルゴールな訳じゃないんだからね!」
結成したばかりの頃。そんなことを力説してたないこ。そうやな。オルゴールになるのって、思ったより悪くない。
でもさ。
不協和音を奏でていたオルゴールと大太鼓は、お互いを認め、影響し合って進化した。
もうオルゴールでも、大太鼓でもない
「いれいす」というひとつの完成した音楽になったんや。
そうやろ?
[完]
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