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目覚めた時よく小説やドラマで『目を覚ませば白い天井と白い壁』
そんなセリフがあるが全くそのおとりだった。
何も無くて、あるのはベットと個室で広いはずなのに何故か窮屈に思えるこの空間から早く抜け出したかった。
医者として入る病室と患者側とでは感じ方がこんなに違うのかと改めて思った。
今まで患者さんを感じながら働くと決めていたはずなのに…
まだまだだな…笑
「…」
ガラッ
「あ…、りいぬ起きたのか〜」
「今…ね、」
「そっか、どっか辛いとこは?」
「まだ、ぐるぐるはしてるかな笑
俺こんな貧血酷くなかったのにな、悪化しちゃったかな…、」
「…ッ」
「さとみくん…、きっと疑ってるよね?病気なんじゃないかって」
「ごめん…」
「わかってるよ笑、何となくそんな気がしてた俺どうすればいいんだろう。検査が必要なのはわかってる、でもッ…ポロ…知りたくない…ッ!ポロ」
「…ッ」
「…ヒクッポロ」
「なぁ…りいぬ、今どれだけりいぬが辛い思いしているのか想像がつかない。怖いのは分かる、でも早ければ助けられるのはわかってるはずだ。頑張ってみてくれないか…?
どんな結果であれ俺がりいぬを救う、りいぬがこの先も生きたいって思えるように手助けしたい、」
「…ポロ、さと…ちゃッ…ポロ」
今にも泣きそうなのに俺を気遣って我慢して笑おうとしてる彼、
『俺がりいぬを救う』『生きたいって思わせる』
この言葉が俺の心を惑わす
いつだってそうだ。優しくて、頼りになるからすぐ頼ってしまう。そんな時でも嫌な顔ひとつしないで受け止めてくれる、
これは俺みたいなのが何もかも完璧なさとちゃんを好きになった代償なのかな…、笑
「考えてッ…みる、ポロ」
「ありがとう…、」
その数日後、
「さとちゃん…、俺受けるよ」
「ほんとに…?」
「うん、きっとこれ以上迷ってたら決まらないだろうし…進行しちゃうし、」
「ありがとう、ポロ」
「なんで泣くの…笑」
「ごめんッ…笑」
きっと彼は優しいから俺みたいなやつに付きっきりで見てくれた。
俺というか誰がどの状況に置かれても彼は医者であること以上に性格的に助けるだろう、
でも…ッ
少しは期待してもいいかな…
俺がさとちゃんを好きなように彼も、ッ
「りいぬ今から血液検査だけど行ける?」
「うん…、」
「な〜にビビってるん?」
「ゲッ…なんでジェルくんまで、」
「げってなんやねん!助っ人や」
「ごめんな、笑 俺が呼んだんだ」
「そっか笑 」
「…じゃあ始めるぞ、」
「お願い、」
あれからどれだけの時間が経ったのか分からない。気づいたら元いた病室で点滴が着いていた
目を覚ました時誰もいない光景に俺は少し寂しさを感じた。
今までみんなに支えられっぱなしだったんだ、
手に刺さる点滴を見つめながらそう思った。
「…ハァ」
「でっかいため息、」
「…ハッ!?」
「そんな戦隊モードみたいなことすんなよ、」
「ノックぐらいしてよ、笑 病室に入る時はノックは絶対って言われたでしょ!」
「ごめんごめん、起きてるとは思わなかったから。ただの貧血だから大丈夫だ」
「そっか、ありがとう」
さとちゃんは俺が貧血で倒れたあとのことを説明してくれた。貧血で倒れたあと鼻血が止まらなかったことと、輸血をしたことなどなど。
「…後でころんくるから、」
「うん…、」
さとちゃんの言葉の間が怖かった。
もう何かを知っているようで、でもさとちゃん自身も何かに恐れているようで何も聞けなかった。
コンコン
「、はい」
「りいぬくんやっほ」
「ころちゃん!」
「あれ、さとみくんもいるじゃんw」
「いて悪いかよw」
「別に悪いなんて言ってないしwww」
「2人して人の病室の中で騒がないでw 」
楽しいな、
こんな時間がいつまでも続けばいいって思った
でもそれとは逆にもし病気になって辛い闘病生活をすることになるならいっその事居なくなりたいとも思ってしまう。
きっともうわかってる、
俺は病気なんだ、みんな無理して笑って誤魔化して俺を庇ってる。
「…」
「りいぬくん…、検査の結果骨髄穿刺することになったよ、」
「…ッ」
「そっか…、」
“骨髄穿刺”この単語を聞けば医者なら分かる
採血検査に引っかかったんだと。
骨髄穿刺は採血検査で白血病などの疑いがある場合に受ける検査だ。
ほぼ確定かな…
「また検査する日はまたわかったら伝えるね、」
「…ありがとう」
そういってころんは病室から出ていった
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短くてごめんなさい💦笑
コメント
4件
全然短くないですよ!むしろこんなおもしろい作品ありがとうございます!
え、全然短くないですよ!? 短くてもお話が最高なので気になりませんよ!!! 白血病…びっくりです…!