はぁ……まだ……だめだ……もっと……
(大会に向けて自分を追い込む)
こんなんじゃ……足を、引っ張っちゃう……迷惑を…かけないために…
まだまだこんなんじゃ足りない……
数ヶ月後
−大会当日−
「足引っ張ったらごめんね…」
「これはダブルスじゃき」
試合は進み
自分たちは負けていた
ゲホッ…(肺が焼ける…)
カラン…(ラケットが弾かれた)
(ラケットを左手に持ち替えた)
「まさか……」
「はぁ”……も゙う、いいよねぇ……」
「まて!雪斗!!」
目が熱くなってくる
ボールが遅く見える
「あはっ…♡遅いねぇ♡」
「っ……!」
どんどん逆転していった
「雪斗!それ以上は!」
「だからダブルスは嫌いなんだよ」
(目から血が出る)
「っ……」
「ラストだよ、仁王」
スマッシュを決めようとした
手を仁王に引っ張られた
「なんで」
ゲホッ…(口にためていた血を吐く)
自分たちは負けた
その瞬間僕は意識を失った
後日
目が覚めた
「……」
片目の視力を失っていた
右手も機能しなくなっていた
「起きたんか」
「………なんで、止めたの」
「それは……」
「帰って。もういいから」
「っ……」
「あと、退部するから伝えといて」
「は?」
「こんな身体じゃできないに決まってるでしょ。いいから早く帰って。もう顔なんか見たくないから」
「あっそ。」
数ヶ月後
「はぁ……」
僕はまだ入院していた
あれからレギュラーメンバーは面会に来てくれていたがすべて追い払っていた。
会いたくなかった。酷いこと言っちゃうから。みんな僕から離れちゃうから。仁王みたいに。
3年の春
ようやく退院できたが、学校に行く気力はなかった。
最近は食欲がなく、体重がかなり落ちてしまった。筋力も。
春が終わる頃僕は学校に行った。
テニス部のみんなからは冷たい目で見られた。幸村くんと同じクラスだった。
「雪斗」
「……」
僕はただ幸村くんを見つめるだけだった。
「ちょっと付き合ってよ」
「ちょっと…」
強引に手を引かれ屋上に連れて行かれた
「なんで……」
「仁王とはまだ仲直りしてないのかい?」
「それは……」
「仲直り、してくれないかな?」
「……」
「仁王も気にしてるみたいなんだ」
「考えて、みるよ…」
乗り気にはなれなかった。
放課後
(早く帰ろう)
「どこいくんじゃ」
「……」
「悪かった」
「ぇ?」
「俺が病院で帰らなければ」
「……こんなに身体を犠牲にしても勝てなかった。僕は弱かったんだよ。仁王のせいじゃない。」
「そんな事無いぜよ」
「もうテニスの話は聞きたくないんだ。わかって欲しい」
「……」
(仁王の手には入部届けが握られていた)
僕はそそくさと帰った
ある日の昼休み
「雪斗」
「……なに」
「ちょっと屋上にいかないか」
「……わかった」
屋上
「それで、要件は?」
「これ」
仁王は入部届けを渡してきた
「テニスが出来ないのはわかってる。見たくもないことも。でもなまたお前さんとあのコートに立ちたいんじゃ。選手としてじゃなくても。」
「何が言いたいの…?」
「マネージャーになってほしいんじゃ」
「……」
「みんな、お前さんの帰りを待ってるぜよ」
「考えて、みるよ」
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