ガっと黄色い瞳孔が開く。その目には疑念が籠っているように見える。
 光「えっ!なんで?!オレもっとあかーしに木兎さんって言われたい!」
 俺だってもっと木兎さんって呼びたい、あかーしって変な呼び方で呼んで欲しい、もっと続くはずだったのに、お互いプロじゃなくてもいい先輩後輩の関係で、仕事の愚痴言いあったりまだいっぱいいっぱい
 椿「いっぱいあったのかなぁ……」
 光「へ?」
 椿「なんで死んじゃったんですか?あなたがバレーをしてなくても俺はたくさん名前を呼びました、そばにいました。
そうして欲しかったならどうしてバレーを選んだんですか?」
 欲しかった答えなんてない、何を言われても苦しくなるから。
 光「…なんでだろーね」
 でもこれはあんまりだ。
 ..この人は誰なんだろう、こんな表情も声音も言い回しも全部木兎さんからは見たことない。でも嫌じゃない、木兎さんと一緒でそばにいると暖かくなる、似てるのに全部違う
 椿「好きです、俺木兎さんのこと大好きでした。」
 光「うんオレもあかーしのこと大好き。」
 椿「でも私が好きなのは射谷さんです。私はもうあなたが好きな赤葦京治じゃないんです。」
 別れたくない、木兎光太郎を忘れることなんてできない。
 光「…き」
 なにか呟くあなたの唇に気を抜けば見惚れてしまう。
 椿「…?」
 光「それでも好き」
 いや、私は前世のとっくにこと人に見惚れ惚れていた。
 光「あの日体育館であえて嬉しかった。
椿季でもいいからあかーしがまた俺の隣に居るって思えたから。」
 ザクザクと落ち葉を踏み分け近づいてくる、まっすぐ目を見て、私の方へ。
 光「ありがとうあかーし、ごめんね本当にごめんね。オレ怖くてあかーしのこと選べなかった、本当に大好きだった、バレーが無くなった時あかーしから離れられるのが怖かった、あかーしはそんなやつじゃないってわかってたでもダメだった。ごめんね大好きありがとうあと…さよなら」
 そう言い私を抱きしめる、試合中の熱い抱擁とは違う、優しい力。
 光「オレは椿葵が好きだけど木兎光太郎は絶対あかーしのことが大好きだから。これはお別れじゃないよ」
 そんな強がりを言っても射谷さんの手は私の頭を強く掴んでいる。
 光「光太郎によろしく。」
「「愛してるよ」」
 その優しい言葉が深く私の胸に木兎光太郎と赤葦京治の別れを刻むと同時に、何故か私はこの人と生きていきたいと唐突に思えてしまった。
 赤「俺も愛しています。」
 私だって愛してる、射谷光のことを愛してる。
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