注 意 事 項
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︎︎︎︎︎︎☑︎赤桃
︎︎︎︎︎︎☑︎学パロ
🕯🎃*⸜𝑯𝒂𝒑𝒑𝒚 𝑯𝒂𝒍𝒍𝒐𝒘𝒆𝒆𝒏⸝*👻🍬
「なつくーん、Trick or Treat」
「発音良w」
「はいスルメイカ」
「お菓子じゃないやん!」
「お前にとっては主食だったな」
「お菓子じゃないからイタズラしちゃうぞぉ〜」
「語尾きめぇw」
「うるさっ、……イタズラなぁ、どうしよかな」
「いい加減こいつの彼女暴こうぜ」
「あり!なつくん溺愛の彼女の写真見せてや」
10⁄31 ハロウィン当日。
いつものように男ばかりが集まってむさ苦しい中庭では、大きい音を立て開けられた扉から、ハロウィンと言えばという文言を口にしながら登場したこさめによって猥談は打ち切られた。
この男ばかりが集まる男子校の中でも可愛らしい顔立ちをしているこさめは一見、泥中に咲く一輪の花の様に思えるが、こいつもれっきとしたオスであり、他の奴らと一緒になって俺に恋人がいると知るや否や一目見たいと躍起になっている内のひとりだ。
身の回りにいる女性といえば、家族、マンモスの様に強い女教師くらいだろうか。
普段、歳の近い女の子と喋る機会も多くは無い俺達だから、友達に彼女がいればそこ経由で他校の女子と繋がろうとする奴も少なくない。
ま、こいつら、俺の友達と呼べる野郎共は純粋に俺の恋人が見たいだけっぽいが。
「お、もうすぐあいつだけで300枚いきそ」
「お前が選んだとびきりの1枚見せろよ」
「何回も言わせんな、無理」
「なぁんでだよおおお」
「べつに減るもんじゃねぇしいいやろ?」
「無理。減る」
悔しそうに地面に拳を叩きつけ項垂れている。
そんなに見たいんかよ。おもろこいつら。
この話に関しては何回か同じやり取りをしているが、回数を重ねる度に大きくなるリアクションを密かに面白がっていた俺は、更にこいつらからこの先面白い反応が取れそうな話題を掘り出した。
「昨日俺の制服着せてヤッたわ」
「なんそれエロー」
最近エロいと言うのが口癖なのか見事に食いついたこさめ。
他の奴らも同様の反応で、彼女がいる奴らは余裕そうに「俺もしたことあるわ」だとか賛同しているのに対して、「自慢かよ惚気けやがって」「解散だ解散」と母親の手作り弁当を口にかきこみ始めた現在フリーの奴ら。
「お前もしかして今日セーターいつもと違うのって……」
「ん?あぁ、そのまま着せて登校させたけど?」
あいつのは汚れちまったからなぁ、しゃーないよな。
「うっわ、何に使ったか想像出来るの嫌なんですけど」
「お前もう次からあのセーター着てくんなよな」
「なんでだよ」
「なんか腹立つ、イケメン腹立つ、滅べ」
「彼女に着せたセーター自慢げに着てくんな」
「辛辣だな今日」
「お前の惚気のせいですが?」
「どーせ彼女も可愛いんだろうよ、まじイケメン滅べよ」
「俺の住む世界では1番可愛いよ」
「……様になってるからやめろよ」
「俺らが惨めになるだろうが」
「もう他の奴らからお菓子強奪する気も起きねえよ」とか「甘すんぎ〜」とか口々に言いながらそのまま中庭を出て行った。
おい、俺ひとり置いてくな?
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「ただいまー」
両親共に働きに出ていて誰もいない家に、いつも通り挨拶する。
ただ今日はいつもと違う事がひとつ。
「らんー?」
玄関にある俺のでも母親でも、父親の物でもない靴を見てその主を探すように名前を呼ぶ。
あいつらは勘違いしてるようだけど、俺の恋人は彼女じゃない。
俺の学校では金曜だけ7時間授業があり、6時間で終わるこいつに昨日先に俺ん家に帰っておいてと伝えておいたのだ。
明日からの三連休は毎日こいつと一緒って訳だ。そんな今日はハロウィン、つまり。
「ただいま」
「んわ、おかえりなっちゃん。……とりっくおあとりーと…、ぉ、お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ、?」
自室の扉を開ければ、俺のベッド上からこいつが1番お気に入りの60cmくらいある狐のぬいぐるみを取り抱っこしながら、操作していたスマホを表面向きにテーブルの上に置いた。
そんなこいつは、猫耳のカチューシャを付けて顔にも猫の様な3本ヒゲをペイントした仮装中で、おずおずとぎこちなくその文言を並べた。
「自認猫かぁ。自分の事可愛いと思ってなきゃ出来ん仮装じゃん」
「なっ!?、は、ぁっ!? 昨日なっちゃんが言ったんじゃん!」
俺に煽られ顔を真っ赤にして抱っこしていたぬいぐるみを投げつけてきた。
昨日可愛い可愛いらんを堪能した後、明日はハロウィンやけ仮装してって頼んだのは紛れもなく俺。どんな仮装をするのかは任せた結果大正解だった。
こいつ未だに自分は可愛いよりもかっこいいと信じてやまないし厨二病だし、ドラキュラとかオオカミとかそんな仮装でもしてくんのかと思ったらコレだよ。可愛すぎんか。
「そんな恥ずかしがらんでも、お前は十分可愛いから大丈夫だよ」
隣にしゃがみ、猫耳カチューシャを外そうとするらんの手をやんわり掴む。
「…そんな顔して誤魔化しても、おれは騙されへんからな」
どんな顔だよ。俺は至って真剣なんだけどな。
普段ハイライトもクソもない濁った目がらんを見る時だけは光を灯す、とか俺とらんの共通の厨二病幼馴染からよく言われていた事を思い出した。
「らんかわいいよ」
「な、に、…急に…こっち見んなし…」
「ん〜無理かも」
握ったスベスベの手を揉みほぐしながら思った事を呟けば、また頬を染めてぽしょぽしょと言葉はツンなのに、俺の手を握り返してくるところはさながら猫の様で。
その仕草に俺のハートは毎回握りつぶされてんだっての。
みんなの前ではワンコのようなこいつが、俺の前では恥ずかしいのかニャンコのようになる。
そりゃあ、犬みてぇに尻尾振って素直に甘えてくるらんも、勿論、いや100確で可愛いに決まってるけど、俺の前だけで見せるツンデレ全開なこの状況が美味しいのだ。
この前らんの学校の文化祭に行った時、らんのクラスは王道のメイド喫茶だったらしく男みんなメイド服を着させられていた。嫌がる男が大半、体格のいい野球部なんかはゴリラメイドだとか売りにしてその恥ずかしさを誤魔化している中、らんは、嫌がったり恥ずかしがったりする素振りはなく、寧ろ誰がどう見ても女装にノリノリだった。
らんの休憩時間中、今日もかわいいねって愛でていれば繋いでいた手をギュッと握り返され立ち止まって顔を真っ赤にさせているらんを見れば、そりゃあもう空き教室へ連れ込んで手出すわな誰だって。
「なっちゃ、とりっくおあとりーとっておれ言ったよ?」
「あー…」
そうだ。
トリックオアトリートまでちゃんと言ってくれたら駅前で有名店のティラミスやるよって言ったんだっけか昨日の俺。
俺におかえりって言ってくれるらんが早く見たくて完璧に忘れてた…。
俺の顔を覗き込むように期待の眼差しが向けられている。
拗ねちゃうかな…w
「ごめんならんちゃん、お菓子持ってねぇや」
「えぇーーー!! なぁんで!」
繋いだ手をぶんぶんと上下に振り回して、徐々にぷくーっと膨れていく頬と左右非対称に釣り上げられていく眉。
かっっっっわよ。
買い忘れた帰り道の俺にグッドサインを送ると同時にらんを宥める。
「なら悪戯する」
「え、まじ?」
「なに?」
「や、なんでも」
この展開は、悪戯しちゃうぞって普段はしない事をしてくれてなんやかんやでもつれ込む事が出来ると噂のあの!?
自分から悪戯すると言ってくれたらんの次の行動に内心ワクワク期待しながら待つ。
「今日はえっちしてあげない」
「…………ん?」
予想外のらんの言動に素っ頓狂な声が漏れた。
そんな中らんはさっき放り投げたぬいぐるみを抱き上げ「ごめんね」とぬいぐるみに対して声をかけ撫でながら、俺のベッドに上がりぬいぐるみを定位置に戻した後、うつ伏せになってスマホを触り始めた。
そんな事より、えっちしてあげないってさぁ、
裏を返せば、あいつはするつもりで居たって事で合ってるよな?
「らぁん」
「なに?」
「俺のセーター暖かかった?」
「…べつにおれのも一緒でしょ」
うつ伏せで寝るらんの隣に腰掛け、セーターの中に手を忍ばせ背中を撫でる。
「でもお前いっつも、俺に抱きしめられると暖かいって言うじゃん。俺のセーター着て、俺の匂いに包まれて、んなんもう抱きしめてるんと変わらんくね」
「…なっちゃんがおれのセーター汚したもん」
「あれは俺のせいじゃないし、らんがセーターで縛られた手を下に持って…」
「うるさいうるさい!なっちゃんきらい!」
「はは、図星なのかーわい。今日1日、俺でいっぱいだったんだ?」
「ぅぅるさいっ……ひっ」
背中に忍ばせた手を脇腹に移動させるとくすぐったそうに身を捩らせた隙をついて、そのまま仰向けにひっくり返し、俺の左手はらんの右手を繋ぎ止め深くシーツに沈む。
「らん、トリックオアトリート、お菓子くれなきゃ悪戯するよ?」
「なっ、おれが先言ったあ…」
「俺も言いたくなっちゃった。らんちゃんお菓子くれる?」
お互いの息が鼻にかかる程至近距離で、甘くとろける綿飴色の瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。
「…悪戯、していいん?」
「お菓子用意するの忘れたから、仕方なくね」
「いや、目の前にお菓子用意されてたみたいだわ」
その言葉を皮切りに、目の前の甘くて可愛らしいお菓子にかぶりついた。
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〜おまけ〜
「はいコレ」
「プリンじゃん。しかも駅前の」
「ティラミス買ってきてくれるって言ってたけど、おれが仮装してることにウキウキで忘れちゃうだろうなと思って万が一ティラミスと被らないようにおれも買ってたの」
「さす俺嫁」
「さすが俺の嫁じゃないし!おれの読み通り忘れやがって!てか嫁じゃないし!あと勝手に冷蔵庫開けてごめんね」
「今更だろ」
「ままに謝ったの!」
「つか、え? 本物のお菓子用意してんじゃん。なんで嘘ついたん?」
「……言わせんなよばか」
「ただいまー。あれ、らんちゃんいる?」
「あ!なつまま帰ってきたよ!おかえりー」
「あっ、逃げんならん!」
合唱投稿までいつまでも待ちまするᵒ̴̷͈-ᵒ̴̶̷͈
ポケモンやり過ぎて小説の方疎かにしてた数週間でしたがハロウィン当日に遅刻しないように深夜に殴り書きしましたᵒ̴̶̷᷄ ˡ̼̮ ᵒ̴̶̷᷅
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