K…こーく V…そらびび
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こーくから結婚をすると告げられてから1週間経った。
あー辛。
あれから海へは行ってない。きっともうこーくも忘れてるだろ俺なんて。
どうして、もっと早く好きだと言っておけば良かった?いやそもそも人魚と人間じゃ結婚すらできないか…。
アイツの隣に、
V いたかったな…
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自室にある机に突っ伏して1時間後、執事が3回ノックしてから入って来た。俺はまだ入っていいなんて言ってないんだけどおいジジイ。
執事 …坊っちゃま…もう耳にタコが出来るくらい聞きましたでしょうが、そろそろ人魚の肉を食べませんか…?
V 人魚…?
ああ、結婚の件があまりにも衝撃的過ぎて忘れてた。
…待てよ。
V 人魚の、肉…?
執事 はい、そうでございますが…。…また後でお部屋に参ります、今月中に食べなくてはなりません故、早めのご決心を。では。
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…そうか、有った、方法が、こーくと俺が共にいられる方法が!
V よっし早速取り掛かるか!おい執事!
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〜海〜
ザァァア…(波
K …今日もびびくん来ないな…。俺なんかしたっけ…
結婚がそんなにショックだったのか、いやでも結婚した所でびびくんとは毎日会うつもりでいたのにな…。
V こーく。
K !
聞き慣れた、唯一心を許した人間の声。
K びびくん!一体何処に行ってたの、会えないから心配した…
振り返れば君が…
K …え、誰、この人達…
V よお、こーく、久しぶり。
網を持ち、ガスマスクと作業着を着た…まさか
V コイツ、コイツを捕ってくれ。
K びびくん?、ちょっと待ってよ、何で?
V 大丈夫、売ったりはせんから。
…びびくんの目に光なんて無かった。唯一信じていた人間、どうして、前までは綺麗な目をしてたのに。
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ズダンッ!
調理場で包丁が肉を断つ音が聞こえる。
もうすぐだ。
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〜1時間後〜
シェフ …こちら人魚の肉のステーキです。大きな骨から細かな骨、全ての骨を抜きました。
V おぉ。
意外と魚って感じじゃない。牛のステーキみたいな見た目。
…食べるか。
シェフ …あの、坊っちゃま、
V 何?
おいなに止めてんだこの野郎。
シェフ 切断する際にびびくん、どうして、と叫んでおりましたが、
V あー、忘れろ。
シェフ 承知しました。
…正直可哀想とか何も思わない、こうしなきゃ、こーくとは共になれないのだから。
人魚の肉を1口、咀嚼し、飲み込む。
…うん。
V 生臭いわぁ〜。
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コメント
13件
期待を裏切らないcustard様が大好きです。
主様のおかげでバットエンド地雷だったのに地雷じゃなくなったっす(?
毎日会うつもりでいた?実はこーくさんびびくんのこと好きだったんじゃ…てっきり結婚相手の方を食べるのかと思ったら、まさかの本人wこーくさんやられる前に色々考えただろうな…びびくんもこーくさん食べるの辛い😭