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俺はずっと前からメンバーの涼ちゃんに対して特別な感情を抱いていた。


この気持ちの正体に気が付くのが怖くてずっと伝えられずにいた。


でも、このまま気付かないふりをして、自分の気持ちに嘘を吐いて生きて行くのはもう嫌なんだ。


だから今日、俺は涼ちゃんに告白をしようと思う。


きっと君は切れ長の瞳を丸くして驚くだろうけど、俺の中にもう迷いはない。


大好きな君に心のままに「好き」を伝えたいから―――。



「涼ちゃん。今、ちょっといいかな」


「ん?どうしたの元貴」


歌番組の生放送終了後、帰りの移動車の中。


俺は意を決して涼ちゃんに声を掛けた。


少し眠たそうに瞬きを何度も繰り返しながらこちらを向く涼ちゃんの瞳を真っ直ぐに見つめて、俺は世間話をするかのようにサラッと告げた。


「俺さ、涼ちゃんの事が好きなんだよね」


「「えっ!?」」


若井と涼ちゃんが同時に同じ言葉を発したのがおかしくて、俺はつい笑ってしまった。


「くっ…はは!涼ちゃんと若井、仲良すぎ!同時に同じ反応とか面白れぇ…」


「だ、だって元貴が急に変な事言うからビックリしちゃって」


“変な事”。そうか、世間一般的に言えば男が男を好きになる事は”変”なのか。


でも、俺は涼ちゃんが男の人だから好きになったんじゃない。


たまたま好きになった人が男の人だっただけ………。


「涼ちゃん。俺、本気だからね?返事はいつでも良いからさ、考えてみて?」


「…う、うん。考えてみるね///」


涼ちゃんはあたふたしながらも俺の瞳を見て”考えてみる”と言ってくれた。


その姿さえ愛おしくて抱き締めたくなる衝動を抑えるために俺はわざとらしく外を眺めた。



―翌日―


涼架Side


僕、元貴に告白されちゃったんだ…。


今思えば、告白されて咄嗟に出た反応が「変な事言うからビックリしちゃって」は無いよね…。


真剣に告白してくれたんだもの、僕もちゃんと真剣にお返事しなくちゃ。


今日は確か、元貴はオフだったはず。


連絡してみようかと思い立ち、僕は元貴とのLINEの画面を開いた。


遡って見てみると、時々くだらない話題で盛り上がりつつ仕事の話をしたりしている。


すると突然元貴からLINEが来たのでビックリして思わずスマホを落としそうになった。


“涼ちゃんおはよ”


それだけのLINEなのにどうしてこんなに嬉しいんだろう。


なんて返信を打とうか悩んでいると、なんと元貴から追いLINEが来た。


“涼ちゃん既読速くね?もしかして俺からLINE来るの待ってたとか?”


“元貴とのLINEを読み返していたら元貴からLINEが来たから速かったの。別に待ってないもん”


思わずムキになって返すと、既読がすぐ付いて。


“でも意識はしてくれてるんでしょ?俺はそれが嬉しいよ。ね、今日の午後って何もないよね?おうちデートしない?”


元貴は完全に恋する乙女状態になってるな。でも僕も元貴に想いを告げられてから少し浮足立っているような気がしている。


元貴のことを考えれば考える程、胸の奥の方がきゅって締め付けられる。


これが恋心なのだろうか。だとしたら、僕の答えはもう出ているのではないか。


“もう、その話は元貴の家でしよう?お泊まりセット持って夕方元貴の家、行くね”



―その日の夕方―


「5時過ぎ。そろそろ来るかな…」


俺は今柄にもなく緊張している。涼ちゃんが俺の家に泊まるって事は、つまり。


そういう雰囲気になる可能性があると思ってくれてるという事だ。


昨日涼ちゃんに告白した時は、こんな展開が待ってるなんて思っていなかった。


涼ちゃんなりに考えてくれてるんだなって嬉しくなる。


♪ピーンポーン


その時、インターフォンが鳴り、俺は足取り軽く玄関へ向かい扉を開いた。


「…お邪魔します」


「涼ちゃんいらっしゃい。来てくれてありがとう」


「ううん…僕も元貴に話したい事あったから…それに会いたかったし…」


涼ちゃん、何だか疲れてる?そりゃそうか、さっきまで仕事してたんだもんね。


俺は涼ちゃんの頭をぽんぽんと撫でると、涼ちゃんのカバン―お泊まりセット―を持つと部屋へ上がるように促す。


「…涼ちゃん、今日泊まってく?」


「…元貴が良いなら…泊まりたいなって」


恥ずかしそうに頬を染めながら言う涼ちゃんに、俺は改めて自分の想いを告げた。


「俺は涼ちゃんの事が大好きだから、泊まってくれるの嬉しいよ。でも、俺…想いが通じ合ってないまま涼ちゃんに手を出すなんて事、絶対にしたくない」


「元貴…僕…良く考えたんだけど、元貴の事…ずっと好きだったみたい。だって告白された時、ビックリしたけど嬉しかった…今も頭撫でられただけでドキドキしてるし…」


「じゃあ両想いって事で、キスしよっか」


「えぇ、意外。キスから始めるタイプ?」


「だっていきなり挿れたら涼ちゃん、怒るでしょ?」


クスクスと笑う涼ちゃんの肩に手を置くと顔を近付け唇を重ねた。


誘うように唇を薄く開く涼ちゃんの仕種に俺は堪らなく興奮した。


舌を吸ったり食んだりしながらの熱いキスを交わしながら涼ちゃんの服の裾から手を侵入させ胸の突起に指で触れた。


「んっ…ぁ、んん、元貴…するならベッド行こう?」


瞳に熱を灯らせながら俺の手を取りベッドへ連れて行こうとする涼ちゃんが愛しくて俺は黙ってその手を握った。



寝室へ行くと俺は性急に涼ちゃんの身に纏っている衣服を脱がせていく。


首筋や肩、鎖骨へと痕は付けないように、優しく口付けていく。


「…はっ…涼ちゃん、どうして欲しい?」


意地悪く問い掛けると涼ちゃんは頬を真っ赤にしながら自らの手を股間に這わせて震える声でねだる。


「……僕のここ、触って欲しい…もう凄く熱くなってるから…」


「…いいよ。涼ちゃんの触るの夢見てたから嬉しい…」


服越しに涼ちゃんの欲の塊に触れるとそこはもう硬くなってビクビクと震えていた。


カチャカチャと金属音を立てベルトを外し涼ちゃんの身に着けているジーンズを下着ごと脱がすと、ぶるんっと勢い良く現れる涼ちゃんの欲の塊に直に触れる。


先っぽをくりくりくりと捏ね回したり全体をちゅこちゅこと扱いたりして弄っていると徐々に先走りが溢れて来て俺の指に滴ってくる。


「…あ…っ、先っぽ気持ち良い…っ…もっとぐりぐりして…?」


「俺のも触って?涼ちゃんに触れて欲しい…」


涼ちゃんは無言で俺の穿いているジーンズを下着ごと脱がし、そっと俺の欲の塊に触れた。


全体をゆるゆると扱いたり先っぽを親指でぐりぐりと刺激したりしてくる。


たどたどしい手つきで一生懸命に愛撫してくるのが可愛くて…俺は気付くと涼ちゃんをベッドに押し倒していた。


「…元貴…?気持ち良くなかった?」


「逆だよ。気持ち良すぎてイキそうだったから。イクなら涼ちゃんのナカでイキたいし?」


涼ちゃんの両脚をゆっくりと開かせ、ベッドサイドに常備してあるローションを手に取り涼ちゃんの後孔に塗りたくっていく。


「ひゃっ…ぬるぬるする…」


後孔の周りを指でなぞりながらゆっくりと人差し指と中指を第二関節まで挿し込んでいく。


チュクチュクと水音を立てナカで指をバラバラと動かし涼ちゃんのイイトコロを探っていく。


ある一点を指が掠めた時、一際高い嬌声が涼ちゃんから漏れた。


「ひぁっ!?あ、ぁ、そこだめっ…気持ち良すぎるっ…」


「…ホントだ、先走りめちゃくちゃ溢れてきてるね。…ね、もう挿れて良い?」


耳朶を甘噛みしながら、俺は耳元で囁くように問い掛ける。


「…///うん…。良いよ、挿れて…元貴のおっきいので沢山突いて…」


俺は涼ちゃんの後孔に自らの熱く膨張しきった欲の塊を宛がうとゆっくりと腰を沈めていった。


「涼ちゃんのナカ、熱くてうねってる…吸い付いてくる感覚堪んない…」


ずっちゅんぱちゅんぱんぱんぱんぱん


激しい律動を繰り返す中、涼ちゃんの腕が頬に伸びてきた。


「元貴…ちゅーしたい」


キスしながらイキたいのかな?ホントに涼ちゃんは可愛いな。


俺は挿れたままの体勢で涼ちゃんのほんのり桜色の唇に自分の唇を重ねる。


挿れたままキスすると上のお口も下のお口も俺のモノって感じがして凄く幸せな気持ちになる。


そんな事涼ちゃんに言ったら「馬鹿じゃないの」って呆れられるだろうけど。


「んっ…ね、涼ちゃん…俺もうイキそう…イっていい?」


「んぁ、ぁ、ん…僕もイキそう…一緒にイこ?」


深いキスをしながら更に激しい突き上げを繰り返すと、俺と涼ちゃんはほぼ同時に熱い白濁を放ち絶頂を迎えたのだった。



甘くて幸せな時間を過ごした後、二人してベッドの上で寄り添い合っていた。


涼ちゃんの汗の匂いが俺の鼻腔を擽る。色っぽくて思わず息を呑んだ。


「ね、涼ちゃん。本当に俺と付き合ってくれるの?」


「あんなに激しく僕の事抱いておいて、何を今更……」


「だって不安なんだ。俺、こう見えて嫉妬深いし。涼ちゃんの事束縛しちゃうかもしれない。それでも良い?」


涼ちゃんは不安気に問い掛ける俺の手を優しく握ると、にこっと微笑みコクリと頷いてくれた。


「嫉妬深い元貴も、束縛強いな元貴も、ぜーんぶ元貴でしょ?ありのままの元貴を、僕は愛したい。だから傍に居させて欲しい」


「涼ちゃん………ありがとう。これからよろしくお願いします」


「こちらこそ、よろしくね元貴!ずっとずーっと一緒に居てね?離さないでね」


「もちろん!ぜーったい離さないから覚悟しててよ」


end.

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